約 2,552,068 件
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/349.html
ページ:1 2 作品 ■▲▼ わすれもの リルケの言う神さまはぼくのお父さんだ 神さまは左手をなくされたけどお父さんは左手を持っている お父さんはおちんちんを見せながらぼくの頭にふわりと手を置いて 神さまの左手のたましいはココに宿っているんだよ邪悪なんだよドス黒いんだよ なるほどと納得したことを覚えているあれから10年が経つ お父さんは帰ってこなくなった 風が吹けば飛んでしまうほどぼくのからだは軽いだろうし お父さんのおちんちんとぼくのおちんちんは違う 秋になると寂しくなって風が重くておとうさんのおちんちんは黒かったことを思いだしたりして ドタマと手足に分断されたぼくの感覚機能がうなだれているのを感じる ぼくがひどく鈍感なのは 神さまの左手がどこかでひどく神さまに怒られているからに違いない 414 名前:わすれもの[sage] 投稿日:2006/03/20(月) 01 57 32 ID lr+fVyt9 【コメント】 39 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/03/24(金) 19 38 43 ID ZyJzjJd4 414 わすれもの 珍妙な味付けの話でありました リルケから お父さん ぼくの連鎖に何故だかセンチメンタルに誘われてしまった 真面目に読んでしまうけれど幼少の頃に風呂場であった話だとすれば あながちへんてこりんな話でもあるまい でもなんたる発想 笑 汚れたものという「左手」の概念を考えれば理性を働かせている図でもあるし 直感が働く無制御の心境になればその左手さえも 左手ではなくなるはずで きっと文面には現われていないけれど 未熟を察して 比較対象に近接 この発想には純然たる閃きの導きが通っているよう 52 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/03/26(日) 03 12 36 ID QNaW+FBZ 414 『わすれもの』 リルケはよく知らんのよ…ちんちんは作者のオリジナ ルだと思うけど、神の左手が第六感につながる根拠とかよく分らなくて、この 作品を正確に鑑賞できでないかも。ちなみにぼくは左手でナニをいじ(後略) ■▲▼ 公僕心中 あじわう ふれる かぐ きく みる 珍味のみくだすことなく 歓喜に浸れず アイも匂わず ねぎらいも聞けない その先には 空腹が待っている 未来が見える 見える? 明日のことはわからない 見える? 朝日は しずしずと 遠慮なく 消えていく今日の夜の暗闇 明日があらわになる 見えるとしか云い様のない 明日が 青い陰りから しらじら 遠慮なく すみません すみません おしつけは 容赦無く 青い淡いあしたが窓の外から 浸入してくる 閉じた瞼の暗がりは 青い陰りに浸される すっかり今日が消えたら 明日が見えるの? ぴくっと動く瞼 心は語り 心は聞いて ワタシは 私になる準備に余念ない 聞こえる? 覚醒と聴覚は関係付けされて 聞こえる? 社会の空気を積み上げる 朝げの味噌汁 体が動く 敷布がふれる 人間がたっているのは 奇跡に近い ヤジロベェひとつ こんな自然はない 心は語り 心は聞いて 意欲を 好意を 行為を 更衣を 高位を 意識する 振り返る? 後遺を 心はまっ暗闇みを 振り返る みえない きこえず ふれようもない心中 公の光り 暗い影のように 私の ワタシらしい中心 身体の心は判らない あなたの心わからない わたしの心わかってる? 人間の心はわからない それでも平気で日が暮れる 415-418 名前: 公僕心中 ◆SiAo0Tv4MA [] 投稿日:2006/03/20(月) 02 23 36 ID NDrEin+i 【コメント】 45 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/03/25(土) 02 45 47 ID 7uJSgjZ7 415-419 公僕心中 心の内をそっと覗き込んでみるとそこにぽつぽつとあるもの 点描でそっと繋いだような作品だね 五感 感覚 視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚 これらは私という内なる世界をもたらす発端の 触手の最先端みたいで はっきりしていなそうで 本当ははっきり何かを掴み取っているんだね 五感について丁寧に書き綴っていて たゆたう心中に同調して そのまま生きていければ 心地よいのかもしれないけれど やはり 自分と 他者の感覚 受け取り方は心のクローンとならず 差異が生じるもので そんな蓄積が また静かに積もって 心中の在り処を認識させて いるんだね バランスについての表現が直感というか この自分という中心を見つけることにおいて やはり 重要で デリケートな調子で何の前触れもなく 湧き上がる思いを しっかりつかみ取ってるなと感じたよ 漠然としたあるべき姿としての私を追行しつつ 他 無くして 感 あらず そして その 他 をそっと見つめたときに起こる 感覚を映しているんだなと思った この作品は 心がしんと静まり返っている時間に読むとね 密集にある 隠された落とし穴にはまったような心地よさがあるよ 52 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/03/26(日) 03 12 36 ID QNaW+FBZ 415-418 『公僕心中』 明日という未来の予感を感じるために、どんどん インナースペースに入り込んでいく。その過程が丁寧だね。いちおうの終着点 をどこに置くか、そこでの発見にもうひと工夫ほしかったかも。 【得点】 1点 玉こんにゃく ◆IVVTBUqDhU:1点 ■▲▼ moved ここまでの運命は視えていたの 未知なる勘の示すままにこの人生,歩んできた でも急に揺さぶる存在に変化した貴方 何時になく動揺したから羅針盤が暴走しちゃった もう先の運命が視えない 気持ちが錯綜する 気晴らしに読んだ恋愛話は 刹那くて泣いてしまった この迷走から抜ける為に お願いだから最後にもう一度だけ働いて この縁,手繰り寄せてもいいですか? 419 名前:moved[sage] 投稿日:2006/03/20(月) 10 27 17 ID DKkPE7hc 【コメント】 34 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/03/24(金) 06 23 50 ID ZyJzjJd4 419 moved 恋病を持病とし一途に直感のみで世を渡り歩く女は可愛いけれど 恐く狡い存在でもある 大抵その執念ともいうべき愛着からくる直感で動き回る女が 生活エリアにいることが幸せと思う瞬間と 地獄と思う瞬間があることと思う 勘の示すままに歩んできたという人生 しかし 最終連で同意を求めている >この縁,手繰り寄せてもいいですか? 実際これはもう手繰り寄せはじめているのだけれど やわらかに縛り包める技ともいえる 同意を求め可愛いやつめと思う反面 直感 勘にて動き回っていいですかの免罪を得る手段でもあり可愛くこわぁい 女の勘を感じました 52 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/03/26(日) 03 12 36 ID QNaW+FBZ 419 『moved』 第六感、というより、自分の気持ちに正直に、という印象 が強いね。 95 名前:ミミン ◆4fCTWDhugY [sage] 投稿日:2006/03/31(金) 23 21 42 ID erUok+wD 『moved』を書きました,ミミンです(笑) 審査員の皆様,今回は延長もあり大変お疲れ様でした( _ 。) この詩は図らずも3部作となった内の一つです(苦笑)共通項は【狡い女】爆笑 また参加させて下さいm(_ _)m ■▲▼ Vampire s gloss nude 一つ目の額縁の中は空で 金色の縁取りの外は生臭い生活そのもの 二枚並んだ肖像画 パパとママ 色気づいた年頃になった 僕 未だに微笑さえ苦手で 笑わない子を貫いているから見守っていてね ずっと優しく微笑むだけの パパ ママ おはよう 木枠に金色の塗装 いつまでも剥げ落ちないようにフランネルで綿埃を拭い取る 月曜日の儀式 月曜日のみ 同居人のいない屋敷から一人家出する 時々様子を窺いにくるのは身寄りがなく遠い親戚の 小母様のみ 暇つぶしお節介家政婦なだけで 僕が居ようが居まいが 僕のトランクスを平気で洗濯し ゴミを集め 何を望み求めているのか 魂胆 不明瞭な働きをして 僕の生活を滞り無いものにしてくれるんだ ママ 「煙草が無いぜ買ってこいよ」 誰も居ないキッチン 椅子に向かって呟くと捲り忘れたカレンダーが落ちた 冷蔵庫の右側面にマグネット一つで留められていたのか 生命保険屋の粗品 社名が煩いカレンダー 拾い上げて 生ゴミ三角コーナーに突き刺す 星形マグネットは冷蔵庫の中 ウインナーのパッケージを留めて冷やしておくよ パパ エイチツー エスオーフォー sulfuric acid ガラス瓶の中で揺れる朝 「奴を半殺しにする為に計画などいらない出たとこ勝負だ」 陳腐な終章 昨晩に記した小説もどきを破り捨てた手で おろし立て 固めのブラシを前歯に押し当てる おぼえたばかりの煙草 ヤニを溶かし落とす 研磨剤入り歯磨き粉に咽る 紫煙は僕に愁いの表情を演出させる格好のアイテムと 覚えたから 間違っても 咽るなどと失態は他人の前でもしない 珍しく良く寝つけた朝の目覚め いつもより丹念に歯を磨き終えてカラリン コップに歯ブラシを突き立てる ミルの取っ手を軽く握り マホガニーの木目が細やかに渦巻くつまみ豆を擂る モカの粗挽きをサイフォンに落とし入れ 硝子越しに アルコールランプの炎が水を突き上げるのを見ていた 歯磨き後に飲むコーヒーは不味くて良かったから 水の沸点 上層の円筒形の硝子で起こる対流 モカの粗挽きの茶色の攪拌を楽しんだ 目一杯肺活力を使って アルコールランプの炎を消す 僕は自由を知っているようで 不自由 不自由を蓄積し 自由が束縛無しには存在しない事を知った いってくるね バーイ 額縁の外 歯科に通いなさい 小母様はそう僕に言いつけて微笑んだが 口腔外科の相談窓口にももう用事はない インプラント義歯 矯正治療 僕の歯並びを否定した大人達 さよなら 八重歯の乱ぐいによって僕が困ることはないと知ったから ヴァンプとあだなを付けられて 皮肉られる僕の外見的要素に恥じたりしない ドクターは診察台に横たわる僕の唇を冷たい指で押し上げて 随分と長くて尖った八重歯だね レントゲンを見ながら 抜くより矯正して歯の先を少し削ろうかと提案して 僕に薬品臭いパンフレットをくれた 早速 僕は読破し図書館の隅にそれを無断で寄贈した 劣等万歳 月曜日 校舎は風景画の中 無関係な息吹 色白 華奢な体 声変わりもしないで ハスキーなままの声 女に生まれたら良かったのにね クールビューティと 僕が好意を持っている事 隠すままの美形 スタイル良しな女の子に言われ 鏡に映る僕を 視界から抹殺する方法を考えて眠れなかったのは先週の金曜日 遺伝に因る ママ譲りの劣性 劣等万歳 手立ては僕の両眼を潰す事から 思いついたが 無口 無表情 薄毛 流行の俳優とは正反対を地で行く切れ長サムライフェイス 演劇部で侍役やってくれよ 脇役足りないしはまり役だぜ お前古くさい顔だよなと 僕が尊敬していたガタイの良い先輩に言われ 八重歯の出所と因果関係のみ分からないまま 金縁眼鏡をへし折った卒業式 パパ譲り 僕の遺伝子 港に近い 海を背に廃墟になった工場 朽ちた匂いは潮風に巻き取られて サイケなヘアーセットを乱すだけの旋風 こんにちはと モミアゲ ワックスで捻り上げてロングなままオールバック メタルブーツ 黒地にマルチカラードットシャツで日中からまた朝が来るまで 洒落込んだ馬鹿な男になって踊るのだ 一週間に一度 月曜日に入り浸る 僕が 今日は硝子の瓶を大切に抱いて 時空を歪ませて響くその中 音響効果抜群のクラブ DJはフェイクファーストールに巨大鳥の巣のような ヘアピース 横目でちらりと素通り 靴裏の摩擦と幾十もの薄い影を落として 人込みを抜ける 床は艶かしくオイルが染みて ヒール跡に研磨された模様の灰色花柄に見えた WCまで長い廊下にずらりと蝋人形が並ぶ ピエロ 紳士 淑女 平民 老人 若人 成金 醜女 ライトアップされて影を宿す 奥の部屋には逃亡を企て 灯台下暗しと言わんばかりに この工場 人形を作っていた会社だったという そして 現在 元々の社長が沢山の美人をはべらせて潜んでいるという 先週の月曜日 喚きながら乱入してきた男がそう告げた 消音銃だからとまるでアクセサリーのように チェーンで首から下げた汚れたスニーカーを履いた初老が 奪い取られた きっと 女の名前を絶叫しながら 踊るしかなかったんだ そうだよね パパ ママ あの男も蝋人形になって いつかここに並ぶんだと 紳士が差し出している先の折れた薬指に触れながら 蝋の光沢を僕の手に移していると 染みズラのガマ蛙 イカした仕立てのサイドベンツ スーツ姿の男がWCより出てきた 直感で奴がその元社長で 女をはべらせている亡者だと僕は確信した 「額縁の外で僕は生きるよ 見ていて パパ ママ」 僕が蝋人形との間の壁 寄りかかっていたせいか ガマ蛙は僕に気が付きもせず 油切った脳天パゲに間接照明のオレンジを集めて 僕の前を通り過ぎた 背中から飛び掛り 僕はゴルフや格闘技の匂いのするガマ蛙に劣等感を抱きながらも 蝋人形よりも蝋人形らしい 僕を誇り 一発股間に後ろから蹴りを入れて ガマ蛙を床に跪かせた 四つん這い 僕はポケットに蓋をきつく捻りいれた硝子瓶を まるでフェロモン入りのパフュームを取り出すように手にとり 内ポケット弄るガマ蛙の動きを止めるように 背中を踏みつける 「護身に拳銃なんて オッサン ダサいよ」 ガマ蛙は横目で僕を睨み付け 銃口を僕に向けた 「何が望みだ 少年 おまえこそ薬品? 舐めた真似しやがって」 ダサいね ガマ蛙 四つん這いの利き手逆 脇腹 蹴り飛ばせばシッキューン 自分の顔面打ち抜いちゃうんだぜ 凶器は自分の為に使うんだ オッサン 明日はちゃんと登校するよ ママ パパ 僕は必ずパパ以上の地位と名誉を得るために勉強する 僕にはガマ蛙ほど今は装飾品無いけれど 奥の部屋にいるはずの美女達を今に平伏せさせてやる クロコダイルのベルトが腰に似合うようにはなりたくない 僕は 蝋人形の 老人の髭を叩き落として シャツを脱ぎ着せた 色白に生んでくれてありがとう ママ 乾燥した日に唇を傷つける程に鋭利な八重歯 実態 この体 姿 劣等の不利を生かすすべ 歩きながら叫びを殺した 透明な液体を胸に擦り込み 間髪入れず襲いくる 瓶から床に流れ落ちる白い煙と共に歩む 薄暗く遠くから スローテンポなテクノがこだましてくる 全裸だぜ 僕 色白に生んでくれてありがとう 肌が焼け溶ける跡に真っ赤な花が咲くよ 劣等万歳 蝋人形のセクシーポーズ真似てから 瓶ごと 突っ伏しているガマ蛙目掛けて投げると 小さな弧を描き 光は床に霧を這わせた ドアを開けて 額縁の中 僕は劣等を捨てる 420-424,426 名前:Vampire s gloss nude[] 投稿日:2006/03/21(火) 00 07 29 ID TPS6xg2F 【コメント】 60 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/03/26(日) 21 01 44 ID QNaW+FBZ 420-424 『Vampire s gloss nude』 彼なりの『ライ麦畑』なのかな。面 白いと思うのが、テイストが連ごとに欧米風、日本の小市民風、ホラー風味、 ハードボイルドと異なって、さらに少年の性格も微妙に変化していくとこ。 79 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/03/28(火) 12 31 33 ID nt8R/lR7 420 :Vampire s gloss nude 力作。もうなんか、ホテルカルフォニアとか、すごいよく出来たミュージッククリップとかそんな映像が眼に浮かぶような作品。 同じバンパイア作品でも、クリストファー・リーじゃなくて、もっと現代のやつね。 ああ、こういうの書ける人が羨ましい。。。 蝋人形の廊下が秀逸。ガラス瓶に入ってた液体は聖水なんだろうか? 額縁の世界が一連めの伏線を拾って、一種の自殺でありながら伝説への帰還という風情。 美しかった。 83 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/03/29(水) 01 07 45 ID ukx9dVXb 420-424Vampire s gloss nude 書きました 審査お疲れ様です そして評ありがとう〔ぼく0点だからもう書き込んじゃう〕 今回お題を出した当の本人でしたので 書きたいものを書きたいように 直感という勢いで書いてみました 詩情を物語化で全体隠喩 オムニバス化 小説の超推敲版なんで 詩でなくなってしまったのですが これが本来 私の書きたい世界観なんです 5連投して投稿制限がかかってしまい ラストを投稿しないまま眠ってしまって Ⅵがないままの形になってしまって 次の日投稿するわけにもいかず ちょっとへこんでましたが どこかにはフルでUPしようとおもってます 笑 というかもうUPしたいから早まり書きしてるんだけど 笑 ~今回おもしろい作品がたくさんあったので楽しかったな~ 読んでくださってありがとうございます ■▲▼ 六人の男達 一人めの男は私に絵を捧げた 二人めの男は私に歌を捧げた 三人めの男は私に料理を捧げた 四人めの男は私に香水を捧げた 五人めの男は私に体を捧げた やがてやって来た六人めの男は私に何も捧げなかった ただ彼の纏っていた空気だけがその場に残っていた。 425 名前:六人の男達[sage] 投稿日:2006/03/21(火) 08 41 20 ID 8q47Rwuh 【コメント】 34 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/03/24(金) 06 23 50 ID ZyJzjJd4 425 六人の男達 五人から捧げ物を受け 六人目 何気なく関心を奪われている状態が簡潔で 物語の序章の様 何も捧げないで通り過ぎた男の雰囲気を感じたのは五感全てで もしくはそれ以外の何かが働いたからであって シックスセンスという考え方をきちりもって書き切っている 表皮的な言葉の羅列で新しい表現などはないのだけれど はっきりしていてよい 与えられる(情報や物質的なものを五感を無意識に働かせて受け取る)ものと 自ら察知するの違い しか~し体を捧げたの節は触覚だとしたらかなりドライ 笑 ずばっと直感イメージで日常から抜きとった言葉であるなら 作者さんはかなりクールな目を持っているとみた 男を使い言い当てているシックスセンス 60 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/03/26(日) 21 01 44 ID QNaW+FBZ 425 『六人の男達』 テーマに忠実に、カッコよくまとめたところを買いた い。「捧げた」というのが意味深だけど、もちっと工夫すると、その部分が活 きてくるような気がするね。 92 名前:即興詩人 ◆WPwyFssiro [sage] 投稿日:2006/03/31(金) 07 53 13 ID Dh6XHHt9 「六人の男達」書きました。 正直自分的にはいまいちだったんだけど 思いの外高評価で嬉しいです。 解説はしない主義なんで、解説はしません。 大体意図した通りに読んで貰えたみたいだし。 だけどひとつだけ言っとくならば、 僕は野郎だったわけですがw 【得点】 2点 Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点 シオン ◆poetsyov/2:1点 【決選投票】 2点(準チャンプ作品) シオン ◆poetsyov/2 1点 ◆UnderDv67M 1点 ■▲▼ 牝犬 寂しいよって牝犬が啼いて それはもう、どうしようもないことなのだけれども くぅーん、くぅーん、きゅい きゅうい きゅい と 黄昏のおぼろげなスピードが一層速まってしまう 一番星 家の明かりがぽつんぽつんとつく頃には もう諦めた牝犬の 顔を隠して座り込んだその場所が いくら座り続けても温まらないのは 何かが熱を奪い取ってしまうからで それは、黄昏の中で彼女が呼び出してしまった何か 口あけないで 舌垂らさないで こっそりと隠した牙をぐきっと噛んで 灰色の何かがよりそってくるのは 自分のあずかり知らぬことだから いない振りを そこに見えない振りを 触られたことなどない振りを して ようやく温まった地面の上で ぼやぼやの尻尾をくるみこみ 目を閉じる 影のそのまた影の尻尾を 踏みつけてしまわないように 物言わぬ犬の影ふみ遊びが続く明日が 待っているから 427 名前:牝犬[] 投稿日:2006/03/22(水) 09 50 45 ID aIsDUiXI 【コメント】 43 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/03/25(土) 01 55 34 ID 7uJSgjZ7 427 牝犬 >くぅーん、くぅーん、きゅい きゅうい きゅい とても印象的な鳴き声 何故だか読み始めから胸が高鳴った 始まりの4連にて 一気に引き込まれ ほんの僅かな時間の流れを捉えたものであるのに 時の経過が 日暮れの傾斜と影が互い違いに噛みあって作られて いく推移のようで 口の中が熱く温む感覚と やけに外界の温度との差 密度が景色と犬の輪郭にそって溶け合っているのだけれどぼやけたりしないで 子を産む個体としての「めす」の姿が何の飾りもなく 存在しているようでもあった 犬といえど 牝 このシチュエーションは牝でなくては当てはまらないように思えるし 孤独という存在に付きまとう影 この物言わぬ犬の背筋が見えるようだな そうして生きていくのが当たり前だから と そんな牝犬の背にそっと近づいてほお擦りしたくなったのだけど きっとはんぐりと腕を噛まれて見つめられちゃうんだろうななんて思った 当然として性を書き出している弱そうで強い「必然」を感じた ナチュラルでありながら模造のモチーフ魂を自ら吹き込んだのと思った 60 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/03/26(日) 21 01 44 ID QNaW+FBZ 427 『牝犬』 犬が犬として生きるためにしずかに闘っている、そんな厳し さをぼくはこの詩に感じた。それは犬そのものというよりも、軽い擬人が入っ ているようにも感じた。 93 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/03/31(金) 19 41 32 ID WUHzJLIh チャンプになられたお二方おめでとうございます。 審査してくださったみなさんありがとうございます。 あまりにもべたな詩だったんで封印してしまおうと思っていた牝犬であります。 竹輪さん、カノープスさんありがとー。 ■▲▼ 落ちる ふと 顔を上げた 時 時間は 流れ を ゆ るや かに 僕の目に 映った 君に 心 奪 われ た 429 名前:428[] 投稿日:2006/03/22(水) 19 57 07 ID ThkJKBV7 【コメント】 35 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/03/24(金) 06 29 23 ID ZyJzjJd4 429 「落ちる」 428の投稿より429の配列の方が生きている 時間が白い炎になってスローになる瞬間を体験したのは酔っ払っての幻覚だったのだけれど 出会いの直感で目が合ったり見た瞬間スローモー そういった出会いには必ず何か巻き起こる(巻き起こす)前兆でもあると思っている 無駄の無い言葉と行間 文字間にただよう空気 空白が良い 言葉にならなかった情感がそのまま言葉の間にあるようなブランクの使い方 雰囲気を醸し出してている 視覚によるストップモーションに近い 瞬間を直感でとらえたもので優しい気持ちが放出されているよう シンプルで好きな形態 60 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/03/26(日) 21 01 44 ID QNaW+FBZ 429 『落ちる』 タイトルとレイアウトから察するに、読者に何らかの連想 を惹起させようという作者の意図を感じさせる。が、あまりはっきりとはしな いなあ。心そのものの描写を試みたんだろうか。 ■▲▼ Sexth sense シーズンオフ 海沿いのホテルは喧騒から逃れる恰好の隠れ家 現実逃避と言われれば黙ってうなずくしかない これが現実 重々承知の一人旅よろしく 期待していたはずもないアバンチュール 出会ってしまった ブルー・アイ 白い壁にゆらりゆらゆら 妖しげなダンスを踊る影ふたつ 開け放たれた窓から 流れる波の音楽に混じり 甘く切ない吐息の歌声は 盛りの過ぎた ベルベット・ローズ ソファーの上 こぼれた花びら 風に誘われ はらりはらはら 海星のように のけぞる肢体 ふと視線落としたその先 昨夜のワインボトル ころがったままで カーペットに咲く大輪のダリア 珊瑚のように かたまる死体 汗ばんだ身体をなぞる指先は ひんやりとした海蛇 水圧をかけられたように息ができない なのに舌を絡めてくる 海の底 引きずり込む瞳で 夜の闇が溶けるまで 何度も何度も高波にさらわれ 砂浜に打ち寄せられる 百戦錬磨のブルー・アイ この世にどんなの未練を残したの?・・・ 430 名前:Sexth sense[sage] 投稿日:2006/03/23(木) 04 46 07 ID 2hR0zuLo 【コメント】 33 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/03/24(金) 01 47 35 ID ZyJzjJd4 430 Sexth sense 誰かしらはSex senseを大胆不敵に書き出してくるかと思いきや なく(少ししょんぼり) Sexthときたのはやはり発想からよいと感じる 語彙の繋げ方 海にまつわるイメージ 完全に内容から見てとっても単純に語呂が似ているという使いまわしではなく セラピストの略の語意で使ったのだとわかる 刺激より読感に癒しの潤いを残す 海から連想したモチーフの生かし方がうまい 興奮度より癒しぎみな表現が勝ったのは作意というより けだるく陶酔 麻痺したくている漂いをメインにしているからではなかろうか 海星の動きの描写が印象的であっさりしていながら生々しい (多分人間同士のアバンチュール妄想に自然を重ねたのが決め手) 癒された 37 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/03/24(金) 19 33 16 ID ZyJzjJd4 430 Sexth sense(☆読み足りなかった追加評 33) 失礼 肝心な部分を読み逃していた >この世にどんなの未練を残したの?・・・ お相手は青い目の亡霊でしょうか? それとも海にて水死する程に溺れ狂う愛欲なのでしょうか 最終連の意味の解釈によってモチーフの重さがかわりますね 生きたものの小さな死が繰り返される情景に アバンチュールのお相手は生きていない実質存在のありえない流動的なもののよう そして視線の先に色があるのだけど全体が青写真 もしかしてこれはそのままSex senseでもあるのではなかろうか 死の匂いが付きまとう生命の営み 虚ろに疲れている今 読んで気が付いたので追評 60 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/03/26(日) 21 01 44 ID QNaW+FBZ 430 Sexth Sense セイレーンの伝説が頭をよぎったよ。死と海底は似てい るかもしれない。前半のなまめかしさをそのまま海底に引き継いでいく心づも りだったと思う。行き着いてない面はあるが、イメージとして面白いと思う。 101 名前:玉こんにゃく ◆IVVTBUqDhU [sage] 投稿日:2006/04/02(日) 10 09 53 ID mbn7fVbN 「Sexth Sense」 書きました どうしても映画「Sixth Sense」のイメージが強くて。。。 実体験を元にw ふくらませていったのですが 盛り上がりに欠けるという指摘は そのとおりでございましたなぁ ありがとうございました ■▲▼ 鏡のなか 午前12時に静かに降りしきる闇のなか 古い鏡が僕を呼ぶ 僕ははっきりと熱を保ちながら それを伝播させる手立てを持たない 鏡のこちら側に 何か大事な きっと大事な忘れものをして 黒髪の少女は少しだけ眉をひそめ 無言を抱きしめて僕を見つめている 白磁の顔に漆黒の瞳が深々と 鏡の奥に沈んでいる 君へかける声は戒められている 小さな身じろぎが朝を呼んでしまう だから無言のただなかで 幾度も君へ語りかけてきた もう何十年もそうしてきたように 僕は君を 君は僕を見ている 君のその瞳は言葉ともとれない予感をかかえ 音叉のように共鳴している 君は僕の・・・ しかし黒髪の少女は何ひとつ応えることをしない ただ無言の中かなしげに眉をひそめて 朝陽が静かに しかし乱暴な仕方でここへ侵入すると 少女は霞んで やがて消えていった そして鏡の前には僕ひとりが取り残される 叶うならこの鏡の中へと入っていって 君と言葉を交わしたかった その手を握り その熱を確かめたかった そんな願いを遊ばせながら 僕は午前12時が訪れる度に鏡の前に立った そうやって ただただ少女を見つめて 心の中で語りかける日々を続けた そしてもう数えることもやめた午前12時 いつものように鏡の前に立った 今日はどんな話をする? しかし 少女はそこにいなかった 僕に混乱が訪れた 一体何が起こったのか理解できなかった ただ鏡には彫像のような僕の姿だけがあった それから午前12時になる度に僕は鏡に立ったが 少女が浮かぶことは二度となかった 午前12時 鏡に立つ 君はいない 午前12時 鏡に立つ 君はいない 午前12時 鏡に立つ 君はいない・・ そして僕に笑みが浮かんだ 僕は近くにあった椅子を掲げると 力を込めて鏡へと投げ付けた (今ハモウ昔ノコト (午前12時ノ鏡ニ浮カブ少年ニヒトリノ少女ハ恋ヲシタ (無言ヲ携エ タダタダ悲ゲニ少年ハ夜毎浮カンダ (少女ハ心ノ中デ幾度モ幾度モ言葉ヲ重ネタガ (募ル思イニ耐エ切レズ (少女ハ夜ノ神ニ願イヲ立テ (全テヲ捨テテ鏡ノ世界ヘト旅立ッタ 僅かな傷を付けただけで鏡は割れなかった するとその傷からまばゆい光が滲んでくる 目を洗う明るさ 身体を融かす暖かさだ それはゆらゆらと揺れながら大きく僕を飲み込もうとしていた 大きく僕に希望がともった この向こうに君が 鏡という壁を乗り越えて 君の声を聴ける 君を感覚できる 僕に迷いは存在しなかった 僕は光のなかへ進むと自分をなげこんだ (無言ノママ (悲シゲニ (鏡ヲハサンデ (少年ト少女ハ見ツメアウ (ズット (ズット 432-435 名前:鏡のなか[sage] 投稿日:2006/03/23(木) 23 13 54 ID 8aCL7tbG 【コメント】 35 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/03/24(金) 06 29 23 ID ZyJzjJd4 432-435 鏡のなか ホラーにありがちな設定なのだけど類似ない不思議な縁 鏡の中にいる女は鏡の中 過去の記憶に準え今映る その鏡を覗く男は悲しげな女に恋をする そのミステリアスな部分に焦点を当てずに行為にしぼって描いた所が妙で 心中を書いたわけではなさそうだけれどはかなさを感じる 思いと隔て 果てには鏡の中に迷いもなく誘われる男 一見純粋な感情そうだがなんとも破滅的 感覚というものは視覚からもっとという欲求の高鳴りにしたがって触覚に意向する この状況と流れを見るに鏡の位置付けと存在は 他人同士がいきなり出会って謎めく無念を背負い込んだ女に引かれていく恋愛の隠喩とも取れる 鏡は肉体と肉体の隔たり 鏡に存在する女と鏡を覗く男 別なものである認識が五感を刺激する発端になることこれを書き抜いている部分が技巧的 女に破滅的にのめると自分が培ってきたものを失う瞬間を気付かず そうでありながら冷静に凝視しているこの鏡に対して対となった二人の間には 喪失の補完を求めているというより出会いの妙の色が濃い 光と打ち砕かれぬ時間の霹靂が揺れ動くまま 読後やたらと喪失感に苛まれる そこに何かしら得体の知れない感覚が存在していると思う 60 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/03/26(日) 21 01 44 ID QNaW+FBZ 432-435 『鏡のなか』 描写の大部分を雰囲気づくりに費やした印象です。 ストーリーはけして複雑ではないので、この内容は2、3連程度にさせてしまっ て、あとは世界のひろがりに描写を割いてみるのも手かな、と思いました。 79 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/03/28(火) 12 31 33 ID nt8R/lR7 432 :鏡のなか 鏡の国のアリスを踏まえた作品。 微妙なとこなんだけど、時間経過がポイントなんじゃないかな、何十年も鏡を見つめていて、鏡の中にいる 少女・少年はやはりそのまんまの姿。。幻想譚であります。 何十年も見詰め合った末の結末であり、ダイビングと思うと、その情念は凄い。 ページ:1 2 ページ先頭へ トップページ
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/144.html
1 2 → 次へ お題 髪 開催期間 2004/04/07~2004/04/18 参加作品数 16 審査員 4人 本スレ 11の4-40 議論スレ 8の227-255 【チャンプ】 かなしみかみのけ(柳橋):4点 【準チャンプ】 長い髪のすきまに(曼哩):3点 あのこは何も知らない:3点 作品一覧 No. タイトル 作者 点数 5 サラサラな髪が好き - 1 6 黒髪 - 1 7 長い髪のすきまに 曼哩 3 8-9 朝の祈り - 1 10 あのこは何も知らない - 3 11 髪を溶かして - 1 12 かなしみかみのけ 柳橋 4 13 男と秘密と喫茶店 - - 14 老人の追懐 - - 15 髪 - 1 16 休日 - 2 17 初恋 - 2 18 最高の売り物 - - 19 四月 - 1 22 香る雨 散華楽 - 23 無題 - 1 【審査員】 ななほし ◆lYiSp4aok. soft ◆ZYsoftMCT2 日雇いくん ◆HIyaTOiQcI Canopus ◆DYj1h.j3e. 【採点レス】 26 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:04/04/16 12 02 ID IwxQ1Qjc 2点 12 :かなしみかみのけ :04/04/10 16 16 ID dfEvPJI9 1点 5 :サラサラな髪が好き :04/04/08 00 17 ID KqAmS4cf 1点 6 :黒髪 :04/04/08 16 51 ID QZdoLY+8 1点 7 :長い髪のすきまに :04/04/08 19 05 ID gTmMCshL 1点 8 :朝の祈り(1/2) :04/04/09 01 15 ID siItTYcd 1点 11 :髪を溶かして :04/04/10 03 11 ID 500g65J+ 1点 15 :髪 :04/04/11 01 47 ID +cgdDRfx 1点 16 :「休日」 :04/04/11 17 43 ID u7HUmCT/ 1点 17 :初恋 :04/04/11 23 56 ID aGuPKRV5 1点 19 :四月 :04/04/14 20 50 ID OXytL0ed 27 名前:soft ◆ZYsoftMCT2 [sage] 投稿日:04/04/16 17 04 ID ETSX4qoe 2点 12 2点 7 1点 10 28 名前:日雇いくん ◆HIyaTOiQcI [sage] 投稿日:04/04/16 19 43 ID zX+yV/3N 17 23 各1点 35 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [] 投稿日:04/04/18 22 01 ID WWMP0Ixr 10に2点。 16に1点。 作品 ■▲▼ サラサラな髪が好き さほど気にならない様な時間の中で らしくない髪をいじる仕草 さっきから続けてる らーめん喰った後からずぅっと なきだした 僕の(ry かさなる二つ みだれる花 がさつな僕のやり方を すきと言ってくれた きっと きっと 言ってくれた 5 名前:サラサラな髪が好き[sage] 投稿日:04/04/08 00 17 ID KqAmS4cf 【コメント】 26 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:04/04/16 12 02 ID IwxQ1Qjc 1点 5 :サラサラな髪が好き :04/04/08 00 17 ID KqAmS4cf なんか感じさせる詩の言葉が読み手のなかで動き出すのかなぁ 【得点】 1点 ななほし ◆lYiSp4aok.:1点 ■▲▼ 黒髪 『黒髪』 汚らしい犬のように 行き交う孤独と孤独を掻き分けて喘ぐ私 新鮮な空気が欲しい すり抜けて路地裏の静寂(しじま)に立てば 夜はひしめくしずくであり ひとしずくの夜は髪の毛を滑り 先端で結びつく それは気の遠くなる数繰り返され しだいに性急にのびてゆく枝と枝 絡まりあい太る枝から 星を掴み取るために さらに生えてゆく新しい小枝 小枝! はりめぐらされたそれらの間を埋め尽くし 夜空を貪欲に食む葉 葉!! もはや夜はざあざあと私に降りそそぎ 身動きのならない私は ビルの群れに君臨する 黒々とした夜の大樹である そして星明りの中 夜の中心で 私という一本の樹は 絶えることのない嘆息を すがすがしい彼らの吐息を 暁の光がすべてを溶かし去るそのときまで 新鮮に呼吸しつづけるのだ 6 名前:黒髪[] 投稿日:04/04/08 16 51 ID QZdoLY+8 【コメント】 26 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:04/04/16 12 02 ID IwxQ1Qjc 1点 6 :黒髪 :04/04/08 16 51 ID QZdoLY+8 汚らしい犬と言うのはかわいそうか? 立体感ある。 【得点】 1点 ななほし ◆lYiSp4aok.:1点 ■▲▼ 長い髪のすきまに そういえば僕はずいぶん昔 君の長い髪のすきまに落ちたのだった 黒い髪と髪のすきまに 深い髪と髪のすきまに そこは頭皮から分泌する皮脂によって保たれた 高温多湿の閉じた狭い空間だった むせるような君の匂いと むせるような髪の匂いと 君の長い髪に手足を縛られている ためらいがちに初めて話しかけた時の君は 君の長い髪に心を縛られている 壊れそうなほど小さな声だったのに そういえば僕はずいぶん昔 君の長い髪のすきまに落ちたのだった 君の匂いが満ちてゆく肺 君の血で編み朽ちてゆく髪 7 名前:長い髪のすきまに[sage] 投稿日:04/04/08 19 05 ID gTmMCshL 【コメント】 26 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:04/04/16 12 02 ID IwxQ1Qjc 1点 7 :長い髪のすきまに :04/04/08 19 05 ID gTmMCshL 面白い、落ちたのだった。……で詩の中に落ち込んだ。 27 名前:soft ◆ZYsoftMCT2 [sage] 投稿日:04/04/16 17 04 ID ETSX4qoe 2点 7 エロイ エロイよ~。全体的に今回のはエロイ詩が沢山ある気がするw こういうの好きですね。 228 名前:曼哩 ◆aMdeYSjAFA [sage] 投稿日:04/04/22(木) 20 20 ID LjXXnt0S 「長い髪のすきまに」を書きました曼哩です。 今回、初めて参加させていただきました。 寸評、採点していただいた皆様、ありがとうございました。 恋人を抱きしめて髪に顔を埋めたとき ふと感じた虚ろな気持ちを書きました。 「髪」は美しかったり、汚かったり 様々な見方ができる面白いモチーフだなと 皆様の作品を見て思いました。 今後とも、よろしくお願いします。 【得点】 3点(準チャンプ作品) ななほし ◆lYiSp4aok.:1点 soft ◆ZYsoftMCT2:2点 ■▲▼ 朝の祈り ポップアップでトースター おとうさんはブラック わたしは…まだダメ? ハンカチ持った? ほら、口のはし まだついてる 蹴たてて来る朝のよしなしごとにも おかあさん あなたが絶対に欠かさなかった儀式 こっちへおいで ゆたかな髪だね 今日は水玉のぼんぼりにしよう ほどけないよう、きっちりと 編み目が一つ増えるたび誇らしく おとなになった気がした わたしの髪を梳きながら あなたはある日 言いました 本当に好きな人と、一緒になるんだよ 長電話で叱られたつぎの日に あの子とお揃いのショートヘア わが家の儀式は一つ 終わりを告げました やがて わたしの上にさまざまな人がとまり いたずらに髪をなでたりして そうして 通り過ぎてゆきました ささくれて ブラックの苦さに慣れた朝 ある日 あなたはしげしげと目を凝らして言いました あんた、白髪 あなたは 丸くなった背で あの日のように後ろに立って あの日のように髪に触れ 申しわけないほど丁寧に 一本探し出して抜きました ほれ と わたしの前にさしだすその手 ごめんなさい 唇を噛みしめ 顔をあげられない 8 名前:朝の祈り(1/2)[sage] 投稿日:04/04/09 01 15 ID siItTYcd 9 名前:朝の祈り(2/2)[sage] 投稿日:04/04/09 01 16 ID siItTYcd 【コメント】 26 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:04/04/16 12 02 ID IwxQ1Qjc 1点 8 :朝の祈り(1/2) :04/04/09 01 15 ID siItTYcd 前半の半分で筆を置くのもありかなァ……どうだろうほかの読者の意見は? 鏡の前で自己・時間・自尊心を見るような、ちょっと平板だがスナップショット? 【得点】 1点 ななほし ◆lYiSp4aok.:1点 ■▲▼ あのこは何も知らない 神様が天の川を創造していたとき 近くを歩いていた少女の緩やかな髪を 手本にしたというのは 有名な話です 天の川が少女の美しい髪ならば 散見される星たちはエメロンのほのかな香りでしょう 少年は 母と 片思いのあのこによって 女の髪形を知るのです 世界がまだ夜の言葉だった頃 よりどころのない生き方たちが文化をつくっていきました これは現在 クーデロアの街の片隅のごみばこに捨てられた 婦人向け雑誌の造物主はやはり婦人で 購入者もやはり婦人で 捨てたのはその家の執事です 彼女たちはみな 頭から薔薇を生やしたいのではないだろうか というのは頭皮潜入探偵の推理です 夜から夜へと時代がひた走る 綺麗な髪の毛の老婆としての夜が もう朝かと起き上がる時間に 少女はベッドで すやすや寝息 老婆は言う「わたしもわかいころはもっと早寝だったものだ」と 幼少の頃 私はすべり台でなぜかいつも同じ娘のうしろで順番待ちをしていた 今思えばあれは こい だったのかもしれない 10 名前:あのこは何も知らない[sage] 投稿日:04/04/09 03 17 ID bN2CMzhJ 【コメント】 27 名前:soft ◆ZYsoftMCT2 [sage] 投稿日:04/04/16 17 04 ID ETSX4qoe 1点 10 神話のような少し神秘的な雰囲気。 35 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [] 投稿日:04/04/18 22 01 ID WWMP0Ixr 10に2点。 前半のささやきが魅力的だったね。後半、脱線したように見えるのは、一本調 子の独白に終始してしまったためかも。 【得点】 3点(準チャンプ作品) soft ◆ZYsoftMCT2:1点 Canopus ◆DYj1h.j3e.:2点 ■▲▼ 髪を溶かして 朝起きたら、私の美しい髪に いやらしく指が絡みついていたものだから 私もう、今度という今度は憤慨して狂いかけたわ いくら引っ剥がしてやろうとしても 固まって剥がれないものだから 私、これから、髪を溶かします タライ一杯に注がれた薬品を まるで首を傾げたように覗き込んでる 目が虚ろになるのは、寝起きだからかもしれない じわじわ溶け出すのを待たなければいけない 指の皮が溶けだして、あぶくが立ち始める 苦しくてもがいているように見えて、私は可笑しくてたまらなかった この時間は、後悔するには長すぎる 狂喜するには短すぎる だからいい、だから、いい 美しいものたちは、もう全て汚されてしまった だから、さよなら 11 名前:髪を溶かして[sage] 投稿日:04/04/10 03 11 ID 500g65J+ 【コメント】 26 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:04/04/16 12 02 ID IwxQ1Qjc 1点 11 :髪を溶かして :04/04/10 03 11 ID 500g65J+ 難解だが緊張感が引きつけて読み通してしまった。 【得点】 1点 ななほし ◆lYiSp4aok.:1点 ■▲▼ かなしみかみのけ 「おい、姉ちゃんさっき風呂入ったぁ?」 駈ける音 風呂上りのはだし、少し濃く汚れたカーペット 「入ったけど何よ」 髪を撫ぜる風景の 闇に溶ける黒 「髪の毛ちゃんと捨てとけよ」 ガサリ ビニール 美しさの犠牲 「うっさいわねーあんたが捨てればいいんでしょうが」 触れたくもない 私ではない 「自分の髪の毛なんだから自分で処理しろよー」 己の咎は末まで纏う 「捨てて落ちたら皆ゴミじゃない、一々そんなものに所有権とか求めてるんじゃないわよ」 放棄、ゴミ箱へ。 でもゴミ箱からゴミ袋へ移動させないと 「自分から離れたから処理しなくていいわけじゃないだろー。それじゃポイ捨てと同格だぜ」 己の咎はそしてまた咎を増やして 「髪の毛如きでうだうだうだうだ言うんじゃないわよ、ったく女の腐ったみたいな顔して」 女は腐るのか。髪の毛は腐れども 「じゃぁこれで水道管詰まったら姉ちゃんの所為だからな。」 悲しみ 髪の毛 幽かに 欠ける 欠いても 代わる 髪の毛 悲しみ 12 名前:かなしみかみのけ[sage] 投稿日:04/04/10 16 16 ID dfEvPJI9 【コメント】 26 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:04/04/16 12 02 ID IwxQ1Qjc 2点 12 :かなしみかみのけ :04/04/10 16 16 ID dfEvPJI9 引っかかった髪の毛の悲しさは、家族のほのぼのあったかさ? テーマに読み取れる 27 名前:soft ◆ZYsoftMCT2 [sage] 投稿日:04/04/16 17 04 ID ETSX4qoe 2点 12 風呂あがりの姉弟の会話という日常的な場面。 姉の髪の毛は何を比喩していたんだろう。 考えても考えてもわからなかった。 とても深い詩のような気がしてならない。 雑談・議論・感想スレでネタばらし禿しくキボン 40 名前:柳橋 ◆nldbVy4wII [sage] 投稿日:04/04/19 00 59 ID JcuZ1Oni お題は「海岸」 〆切は4/24 って事でよろしく。 227 名前:柳橋 ◆nldbVy4wII [sage] 投稿日:04/04/19(月) 01 07 ID JcuZ1Oni 「かなしみかみのけ」 書きました。柳橋です。 このハンドルにトリプつけたのは初めてじゃの。 点数下さった方々、ありがとうです。 9割方新人ですんで、これからもよろしく、と言う事で。 後、書いた自分より深い読みをされるって何か複雑ですなぁ。 勢いで書いたぽいですよ、と。ネタ晴らし気味に。 ちなみに前スレ658「一人」も自分のだったりします。 構成がまんまですわ。精進します。 んでは。失礼致しました。 【得点】 4点(チャンプ作品) ななほし ◆lYiSp4aok.:2点 soft ◆ZYsoftMCT2:2点 ■▲▼ 男と秘密と喫茶店 デイトが気怠い春の夕暮れ お客ふたりに鐘の音ひとつ いらっしゃいませお煙草は (無言)がふたりを包み 間を埋める煙草の煙 味がわからなくなるじゃない 無駄と知っても百年目 男とふたりで喫茶店 給仕尻目にマルボロの 染み付く黒髪噛むわたし 一足先にあなたの味見 困惑顔の男笑いてまた一興 13 名前:男と秘密と喫茶店[] 投稿日:04/04/11 00 05 ID ufawzoVO 1 2 → 次へ ページ先頭へ トップページ
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/185.html
1 2 3 4 → 次へ お題 恋愛詩 開催期間 2004/09/24~2004/10/04 参加作品数 34 審査員 8人 本スレ 12の206-300 議論スレ 8の788-826 【チャンプ】 なめくじの結晶(イタチ小僧):8点 【準チャンプ】 憧れマトリョーシカ(心霊写真):7点 作品一覧 No. タイトル 作者 点数 207 CC - 1 208-209 不細工で出来損ないのラブソング - - 210 よるのもりのできごと わに 1 211 翡翠の森 - - 212 ユーカラ MUJINA - 213 本当の恋の話をしよう - 1 214-215 香織 - 2 216 霧の縦走路 - 1 219 れんあいし - - 220 月と手紙 - 1 221 Happy - - 222-223 サッド - 2 224 楽などできず - 3 225 憧れマトリョーシカ 心霊写真 7 226 罪の果実 山田 2 227-228 格子窓 - 2 229 愛情のかたち GON 3 230 素直 - - 232-233 永遠 - - 234 くりすますいぶ×∞ - - 235 猫 - 1 236 甘酸っぱい血 - - 237 隠喩の実在 - 1 238 恋 - 2 239 初舞台 - 2 240 恋のスイッチ - - 243 隙間いっぱいに満たされていた - - 244 君のそばにいるよ - - 245 恋欲 - 2 246 もっと、ぜんぜん 脚立 4 247-248 なめくじの結晶 イタチ小僧 8 249-250 羽に吹く風 慧 6 251 眠れぬ夜 - - 252 二つの想い - - 【審査員】 慧 ◆eBWUIXUMPI iななほし ◆lYiSp4aok. わに ◆Wani6uvhK. 園川 ◆nWfXpQxHHM 皮膚ヘタレ ◆.uQr7ysYjs Alnite ◆m3UVuKrnck MUJINA ◆iXws.WGCLY GON ◆rOo2fYBBKk 【採点レス】 269 名前:慧 ◆eBWUIXUMPI [sage] 投稿日:04/10/02(土) 21 15 07 ID pNZJeh0v ですが、今回、点無しです。 272 名前:iななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:04/10/03(日) 00 36 06 ID tb0tJtVB 1点 225 :憧れマトリョーシカ :04/09/27 00 51 07 ID QPc5T5lU 1点 226 :罪の果実 :04/09/27 01 08 09 ID tWH8T6j/ 1点 227 :格子窓 :04/09/27 01 09 58 ID Fe4JRoSy 1点 207 :CC :04/09/24 02 49 11 ID NeUzxxhy 1点 210 :よるのもりのできごと :04/09/24 17 33 02 ID wPXt4X2u 1点 213 :本当の恋の話をしよう :04/09/25 01 53 16 ID TASK3q2N 1点 214 :香織 :04/09/25 02 54 34 ID CTbf534H 1点 216 :霧の縦走路 :04/09/25 13 08 33 ID OhLZ0BTy 1点 220 :月と手紙 :04/09/25 22 41 32 ID HHBJmWZU 1点 224 :楽などできず :04/09/26 21 52 59 ID x6OgeKLo 1点 237 :隠喩の実在 :04/09/29 08 30 47 ID zaZGQRZ8 273 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:04/10/03(日) 00 38 10 ID tb0tJtVB 1点 238 :恋 :04/09/29 10 14 41 ID d49iTn2i 1点 239 :初舞台 :04/09/29 21 39 50 ID jBFBGlGu 1点 245 :恋欲 :04/10/01 00 51 43 ID 7BwcDow7 1点 246 :もっと、ぜんぜん :04/10/01 01 24 52 ID yzC5h6CB 1点 247 :なめくじの結晶(1) :04/10/01 10 03 15 ID 0MulMqBh 1点 249 :羽に吹く風(1/2連目) :04/10/01 16 32 48 ID F9CB/GET 278 名前:わに ◆Wani6uvhK. [sage] 投稿日:04/10/03(日) 02 57 58 ID EO76xuHd 2点 222-223 :サッド 229 :愛情のかたち 1点 225 :憧れマトリョーシカ 226 :罪の果実 245 :恋欲 281 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:04/10/03(日) 09 58 18 ID oxYfgdXY 3点 なめくじの結晶 2点 もっと、ぜんぜん 1点 羽に吹く風 282 名前:皮膚ヘタレ ◆.uQr7ysYjs [sage] 投稿日:04/10/03(日) 11 47 03 ID mWAt7/9t 各1点 225 憧れマトリョーシカ 235 猫 238 恋 239 初舞台 249-250 羽に吹く風 283 名前:皮膚ヘタレ ◆.uQr7ysYjs [sage] 投稿日:04/10/03(日) 12 01 46 ID mWAt7/9t 作品付け忘れ。 1点 247-248 なめくじの結晶 287 名前:Alnite ◆m3UVuKrnck [sage] 投稿日:04/10/03(日) 18 59 53 ID m1+/0jzr 今回は白票を投じさせていただきます。 289 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [catwalk7@nifty.ne.jp] 投稿日:04/10/03(日) 23 56 02 ID DPWuaK2Y 【2点】 >225-226 憧れマトリョ―シカ >249-250 羽に吹く風 【1点】 >208-209 「不細工で出来損ないのラブソング」 >224 楽などできず >228 格子窓 >229 愛情のかたち >246 もっとぜんぜん >247-248 なめくじの結晶 291 名前:GON ◆rOo2fYBBKk [sage] 投稿日:04/10/04(月) 16 29 17 ID mB+UQgS5 214「香織」 1点 224「楽などできず」 1点 225「憧れマトリョーシカ」 2点 246「もっと、ぜんぜん」 1点 292 名前:GON ◆rOo2fYBBKk [sage] 投稿日:04/10/04(月) 16 29 48 ID mB+UQgS5 247「なめくじの結晶」 2点 249-250「羽に吹く風」 1点 作品 ■▲▼ CC もやもやしたきもちがすきなんです けどじぶんのやみにじしんがもてな いんですけどそのもやもやにぬくぬ くとくるまれるすこしづつすこしづ つほうかいがおとずれていくんです からからおとをたててじぶんのほね がのいずになれていくのですがただ もやもやはさきをみることをくつく つおそれてもこころはつながること をのぞんでいたいんですいたいから うかんではきえていくくらやみのそ らですべるかんかくきえるほどせつ ないのがわかりますかあなたのはら がせかいにしんしょくするまでそれ はたしかないみをもってちのあじで 207 名前:CC [sage] 投稿日:04/09/24(金) 02 49 11 ID NeUzxxhy 【コメント】 259 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:04/10/02(土) 15 12 46 ID BnmhBoi7 207 自分のスタイルを持ってて好感がもてるよね。毛色のかわった定型詩 ともとれる。内容がやや陳腐なのと、定型であるがゆえのことばの制限を逆に 武器にできないかなあ、なんて無責任に思います。 261 名前:慧 ◆eBWUIXUMPI [sage] 投稿日:04/10/02(土) 17 49 33 ID pNZJeh0v 207 CC この詩が、恋愛詩なのかどうか、私はよくわかりませんでした。 "あなた"とあるから、その人を心に思い描いているのだろうと 思うのですが、その人との、距離がまったくない感じがして。 見つめているのは、自己愛ではないかなぁという気がしました。 自己愛が、他者と対峙する恋愛と、相反するものだとは思わないけれども。 ところどころ、文章の流れが止まるようにも感じ、そこも気になり、 するりと入っていけませんでした。 272 名前:iななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:04/10/03(日) 00 36 06 ID tb0tJtVB 1点 207 :CC :04/09/24 02 49 11 ID NeUzxxhy なんかわからない。声を出して読みたくない。……わからない。ああ、 293 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [] 投稿日:04/10/04(月) 22 01 13 ID mxN/pc2c 207 CC 平仮名のみの表記により言葉は伝達から一歩身を退いている。 しかし自己の表出は完遂される。内気に秘められた想い。 自己表出としての文脈も意味規範からの多少の変形が加えられている。 想い自体が意識の領域を越えたところに根付いていることを感じさせる。 【得点】 1点 iななほし ◆lYiSp4aok.:1点 ■▲▼ 不細工で出来損ないのラブソング ある日突然その瞬間はやってきた それまでの僕は何もかもが、自分一人のためにあり 他人にどう思われようと、勝手気ままであり続けた 偶然を装った出会いはバレバレだったね 微笑んでくれた君のこと、愛おしく感じた初めての瞬間 慣れない事をしている僕の声は震えていて 思い出すとはずかしいでも あの時の、僕の勇気に感謝する 君と出会った今現在も、友達と遊び歩くのは楽しい ただ遊び方が少し変わっただけ 君の事が頭に浮かんで、風俗通いはもうやめた 多くは望まないと決めていた 君は料理を作るのが好き それだけが僕の願い うまいへたは別として、レトルトはもう食べ飽きた レンタルビデオを一緒に選び ビールで乾杯、ムード作りは下手な僕 再生ボタンで世界は変わる、二人並んで泣き笑い ビールが旨すぎて怖くなった いつ見放されてもおかしくないような 隠れて他の女と会ったりした 君と出会う前にしてたことの延長上 それは君に多くを望まないようにするためと 勝手に自分で決め付けた 素知らぬ顔をしているもんだから 胸が痛くなる 君の立場に僕が立ったなら そんなに凛としていられるだろうか 君の相手は本当に僕で、良いのかとさえ考える 僕には君は出来過ぎた女だ 明日会ったとき、心から謝ろう 綺麗事ばかり並べるつもりはない 今までしてきたことを帳消しにする そんな意味合いじゃないことだけは分かって欲しい 君を悲しませるような、そんなことはもう絶対しない 等身大の僕として、飾ることない君への想い これからも君と一緒に暮らして生きたい 不細工で出来損ないのラブソング 208 名前:『不細工で出来損ないのラブソング ①』 [sage] 投稿日:04/09/24(金) 11 45 15 ID 2sQqaX69 209 名前:『不細工で出来損ないのラブソング ②』 [sage] 投稿日:04/09/24(金) 11 45 36 ID 2sQqaX69 【コメント】 259 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:04/10/02(土) 15 12 46 ID BnmhBoi7 208-209 自己の表出に終始していて、パートナーの顔は視えてこない。自 分勝手もまた恋愛のひとつってヤツかな。 261 名前:慧 ◆eBWUIXUMPI [sage] 投稿日:04/10/02(土) 17 49 33 ID pNZJeh0v 208-209『不細工で出来損ないのラブソング』 恋愛、というか、結婚かなぁ。 結婚してくれと頭を下げている手紙、でしょうか。 274 名前:わに ◆Wani6uvhK. [sage] 投稿日:04/10/03(日) 01 25 24 ID EO76xuHd 208-209 :不細工で出来損ないのラブソング きゅんとなりました。オトコノヒトのかわいらしい不器用さ。 女はそんなところに母性本能を感じて抱きしめたくなるんじゃないかと思います。 279 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [catwalk7@nifty.ne.jp] 投稿日:04/10/03(日) 07 40 26 ID wAnAVlVT 208-209 「不細工で出来損ないのラブソング」 男俵万智だな。ウブな純情を描く。多くの市井人が抱いている共通感覚を平易な言葉で わかりやすく掬いとっている。ただ、俵のほうが洗練されていて、消費されやすいように きれいな包装紙でくるんでいる。でも、私は好きになれない。中身が人工甘味料だから。 対して、この作品は新聞紙にさえも包まれずに差し出された焼いも。とても売り物には ならない。消費されない。でも、味は甘くて、僕は好き。 ■▲▼ よるのもりのできごと ママが云ったよ ジプシーと遊んじゃだめって くらい森に 緑の草木を照らす ちいさなあかりがゆれて タンバリンの音が 僕の胸の中まで鳴りひびく ママに怒られないように 遠くからこっそり眺めた オレンジ色の炎に 浮かび上がった少女の舞 僕は石みたいにうごけず 彼女から目がはなせない 白い衣装が 波の泡にみえる 黒髪はゆれゆれて 夜のかぜのよう 舞の途中のまじないで 月みたいな瞳が こっちをむいた 森のなか 草木がささやく 差し伸べられた手に すいよせられた ママの言いつけをやぶった日 210 名前:よるのもりのできごと [sage] 投稿日:04/09/24(金) 17 33 02 ID wPXt4X2u 【コメント】 259 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:04/10/02(土) 15 12 46 ID BnmhBoi7 210 フレーバーが不満だなあ。ジプシーの少女との邂逅なんだから、南欧 の森や少女の顔だち、その他それっぽさがほしかった。「君はタンバリン/ジ プシーの真似して踊る」って歌詞を思い出したよ。 261 名前:慧 ◆eBWUIXUMPI [sage] 投稿日:04/10/02(土) 17 49 33 ID pNZJeh0v 210 よるのもりのできごと 禁じられたものへ触れる時の、どきどき。子供の、性への好奇心。 そういう感じで受け取りましたが、それにしても、 「制御不能なぐるぐるな感じ」が足らない気がします。 大人の女性(違うかな)の視点からくる余裕を感じてしまいました。 分かり易いキーワードをたくさん使っているのを、欠点と思いました。 272 名前:iななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:04/10/03(日) 00 36 06 ID tb0tJtVB 1点 210 :よるのもりのできごと :04/09/24 17 33 02 ID wPXt4X2u 絵本のようなイメージの世界。ママがいったよ……この出だしゆえに??? 293 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [] 投稿日:04/10/04(月) 22 01 13 ID mxN/pc2c 210 よるのもりのできごと 童話。しかし童話としての最低限の要素を満たすだけでは読み手の心を捉えることは出来ない。 作品が構造と肉からなるとすればそのどちらかに目新しさか複雑化がなければいけない。 822 名前:わに ◆Wani6uvhK. [sage] 投稿日:04/10/06(水) 12 50 48 ID T1fDNnpl 今回は「よるのもりのできごと」をかきました。 毎回毎回同じコトを言われるのに いつまで経ってもありきたりな言葉しか使えない 深みのない詩しかかけない・・・ どうしたらいいのかわからなくなってきた だれか才能分けてください。 それにしても今回の恋愛詩、ホント読み応えがあって楽しかったです みなさんのそれぞれの葛藤があって。 チャンプのイタチさん、さすがの受賞ですね。 水戸黄門(最終回)もイタチさんだったんですか!? 言われてみればそうっぽいニオイしますねぇ・・・ 心霊写真さんの「憧れマトリョーシカ」すごく好みでした。 彗さん、読み違いすいません^^; 読みが浅かったようですぅ。 批評する側としてもまだまだ未熟なんで許してください。 他の方の作品も読み違えてるかもしれないです、ごめんなさい。 また読みかえそう♪ 何度も繰り返し読みたい詩がいっぱいですし。 【得点】 1点 iななほし ◆lYiSp4aok.:1点 ■▲▼ 翡翠の森 儚げに散る桜のような 刹那的な恋 雨に打たれる紫陽花のような 堪え忍ぶ恋 ひっそりと咲く月見草のような 切なげに見つめる恋 独りよがりな想いが創り出した 幻想に過ぎないのが恋だから 人は花に喩えるのだろうか 花は美しく咲き醜く散っていくから 様々な花が咲き乱れる森の中で 色々な花と出会っていく どれも美しく 儚く そして切ない だがそれも忘れ去られる時がくる 人は散らない花を見つけていくから 正確に言うと花ではない 自ら光を放ち永遠に咲き続ける 半透明な緑色の結晶を手に入れるのだ 恋が愛に浄化していく 翡翠の石言葉は 「忍耐」 211 名前:翡翠の森 [sage] 投稿日:04/09/24(金) 22 26 36 ID Nlwnso+Z 【コメント】 259 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:04/10/02(土) 15 12 46 ID BnmhBoi7 211 愛の不滅を書きたかったのは分る。ただ論の運びが唐突すぎてついて いけない。不滅の「翡翠の森」を中心におくのはどうだったろう。それでも陳 腐に陥る危険はありますが。 262 名前:慧 ◆eBWUIXUMPI [sage] 投稿日:04/10/02(土) 17 51 09 ID pNZJeh0v 211 翡翠の森 じーっとじーっと夕から日暮れまで、夕顔のつぼみのひとつを見続けたところ、 他のつぼみは次々と花開いていくなかで、見つめられ続けたそのつぼみだけが、 ただひとつ、咲かずにぽとりと落ちた、という話を読んだことがあります。 二度試して、二度とも、二輪ともそうなったそうです。 両足を、身体をひらいていくときの、羞恥が、花にもあるんじゃなかろうか。 この詩に書かれているものよりも、花っていうのはもうちょっと、 芯の強い、たくましい生命の、性のものではないでしょうか ……という反論でした。失礼しました。 274 名前:わに ◆Wani6uvhK. [sage] 投稿日:04/10/03(日) 01 25 24 ID EO76xuHd 211 :翡翠の森 きれいではかなくて触ったら切れちゃいそうな鋭いカンジ 恋ってそんなものかもしれない。ヒスイと恋。 でも、決して愛じゃないんですね。 初めてした恋はたしかにすね毛とかつまらないことで幻滅して消滅したもの。 自分に作り出せない世界だからか、この詩の世界に憧れを感じます。 293 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [] 投稿日:04/10/04(月) 22 01 13 ID mxN/pc2c 211 翡翠の森 語彙が世界観を造り出してるのはいい。花が石に結晶化する過程もいい。 しかし最後、忍耐が結晶化したように感じる。 ■▲▼ ユーカラ ユルユルリ モユルモユルリ モエイズル オモヒオモへズ オモヒナム コイコユル コイコガレテ コイシカルベキ コイワズラフ コイシキアガメ それは たまたま わたしであっただけで 本当はあなたであったのかもしれない わたしによく似たあなた あなたによく似たわたし 212 名前:ユーカラ [sage] 投稿日:04/09/25(土) 00 13 31 ID Ogtp4lz5 【コメント】 259 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:04/10/02(土) 15 12 46 ID BnmhBoi7 212 ぼくはユーカラは4、50話くらい読んでるかなあ。話すと長くなるから やめとくけど、ぼくの描いてるユーカラ像とは違うけど、シマフクロウのいる 森は表現できていると思う。後半がいいよなあ。 262 名前:慧 ◆eBWUIXUMPI [sage] 投稿日:04/10/02(土) 17 51 09 ID pNZJeh0v 212 ユーカラ うーん。もうちょっと説明して欲しいです。わからないです。 わたしは、酔えませんでした。 293 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [] 投稿日:04/10/04(月) 22 01 13 ID mxN/pc2c 212 ユーカラ 恋とコイの間で分節化を拒む言葉。それはわたしとあなたが わたしとあなたである前の姿だ。言葉のあり方が意味を持つのであって 言葉が意味をもつのではない。ユーカラというのはアイヌの叙事詩のことだそうだが この作品の効果としてはそういうことだったと思う。 820 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [catwalk7@nifty.ne.jp] 投稿日:04/10/06(水) 00 45 59 ID pSZQmKVV イタチさん、チャンプおめでとう。審査員復帰、やれやれ、ホッとです。 心霊写真さん、準チャンプおめ、です。書くたびにうまくなっている。次作が 楽しみです。 投稿のみなさん、審査員のみなさん、このスレを支えてくれているみなさん、 お疲れ様でした。 818 てっきり男だと思ってた。いやー、まんまと騙されました。こんなところも、ネット詩の 名無しのおもしろさ、ですね。 私は今回「ユーカラ」を書きました。見事に点無しでした。北海道の根室半島の南に 「ユルリ島」「モユルリ島」という島があり、たぶんアイヌ語なんだろうけれど(語源は不明) その語感からイメージをふくらませました。カノープスさん、園川さん、寸評ありがとう ございました。根室はシマフクロウの森があり、オオワシやタンチョウなど、自然の宝庫です。 カノさん、みなさん、一度行かれたらいいと思います。さらに、いい詩が書けますよ。 ■▲▼ 本当の恋の話をしよう セックスしませんか? 213 名前:本当の恋の話をしよう [sage] 投稿日:04/09/25(土) 01 53 16 ID TASK3q2N 【コメント】 260 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:04/10/02(土) 15 34 30 ID BnmhBoi7 213 オレの尻でよかったら…(もじもじ)。 262 名前:慧 ◆eBWUIXUMPI [sage] 投稿日:04/10/02(土) 17 51 09 ID pNZJeh0v 213 本当の恋の話をしよう 題名は、"恋"ではなく、"愛"のほうがまだしっくりくるかなぁ、 と思いましたが、そうじゃなくて"俺"にしてみるほうが面白いかなと。 まあ、何にしても、初めてみる感じではなく、ありふれています。 272 名前:iななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:04/10/03(日) 00 36 06 ID tb0tJtVB 1点 213 :本当の恋の話をしよう :04/09/25 01 53 16 ID TASK3q2N 出そうに思った。……ら、出たぁ!! でも、女性はどう思うやら……?? 274 名前:わに ◆Wani6uvhK. [sage] 投稿日:04/10/03(日) 01 25 24 ID EO76xuHd 213 :本当の恋の話をしよう わたしは触れることが恋愛だと思っているので こういうストレートさはいいと思います。 すきとか愛してるとかが照れくさくって思わずこんな風に言ってしまったのかな なんて思ってしまいました。 【得点】 1点 iななほし ◆lYiSp4aok.:1点 ■▲▼ 香織 君は美しいのでいつも ぼくの中の醜悪を恥じ入らせる 笑顔(あの笑い声!) 真っ直ぐの視線 柔らかく光る髪 たったそれだけの十七歳の武器が ぼくを ぼくをグるぐるカキまわしまわりぼくはねムれずにとりみだシまわりヨみちうろついテハシャがみこみとびハネゆめみわきふるいたとうトシてはシボみまたすぐにふくらみ そして ぼくは 震えんばかりの喜びと臆病で 君の前に立つ ―――それがそう、皆、そうなんです――― お前 お前よ 恋愛よ 神のようにか 微笑んでは手を差し伸べ ぼくが積み上げたものをくずすのか いつかぼくは言ったものだ 「正直そんな漠然としたものに あんなに大事だったぼくの全てをひっくり返されたくない」 それでも ぼくは叫ぼう はらわたを引きずって顔をゆがめ (それが世界一のコメディアンより可笑しいさまで 世界中の正常なひとにゆびさされ笑われてもなお) 君が好きだと叫ぼう 亀のように ひっくり返されひっくり返されひっくり返されひっくり返されひっくり返されてなお 君が好きだ 214 名前:香織 [] 投稿日:04/09/25(土) 02 54 34 ID CTbf534H 215 名前:香織(2) [] 投稿日:04/09/25(土) 02 55 10 ID CTbf534H 【コメント】 260 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:04/10/02(土) 15 34 30 ID BnmhBoi7 214-215 後半から調子がでてるぞ。裏を返せば、前半のことば運びがすご くぎこちない。多分これは狙ってぎこちないんじゃなさそう。でも 215はす ごくいいぜ。後半だけでいいんじゃないのかなこの詩は。 262 名前:慧 ◆eBWUIXUMPI [sage] 投稿日:04/10/02(土) 17 51 09 ID pNZJeh0v 214-215 香織 "十七歳の武器が"のところが、思い切り説明だなぁと思います。 他の全ての言葉が、最後の三行の、言い訳というか、照れ隠しというか、 そういうもののように感じました。 ええと、つまり、最後の三行はちょっと面白かったです。 272 名前:iななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:04/10/03(日) 00 36 06 ID tb0tJtVB 1点 214 :香織 :04/09/25 02 54 34 ID CTbf534H 男のほうがロマンチスト……だと言う定説だが? 単に言い訳スキなのか? とも思た。 291 名前:GON ◆rOo2fYBBKk [sage] 投稿日:04/10/04(月) 16 29 17 ID mB+UQgS5 214「香織」 1点 主人公の不器用で無様な様子に織り交ぜられた、 『神のように』『ぼくが積み上げたものをくずす』恋愛と、 『亀のように』『ひっくり返されて』しまう僕との対比がよい。 293 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [] 投稿日:04/10/04(月) 22 01 13 ID mxN/pc2c 214-215 香織 タイトルがいい。 【得点】 2点 iななほし ◆lYiSp4aok.:1点 GON ◆rOo2fYBBKk:1点 ■▲▼ 霧の縦走路 山頂にいる二人を ミルク色の霧が 暖かく見守っているようにつつむ 結婚という山の頂に やっとの思いでついたねと ふたり思い出しながら 語り合っている 力を合わせて坂を上り 反対という名の峠を越え さまざまな難所を越えてやっとの思いで この山の頂に着いたんだ この霧の向こうの 見えない縦走路の先には 大きな峠もあるだろう 鎖場もあるし崖も上らなきゃ でもその先には高い山がある 幸せという名の山のてっぺんを目指すよ 216 名前:霧の縦走路 [] 投稿日:04/09/25(土) 13 08 33 ID OhLZ0BTy 【コメント】 260 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:04/10/02(土) 15 34 30 ID BnmhBoi7 216 御存知の方もいるでしょうがぼくは既婚者です。違う人間がいっしょ に暮らすってのは面白いと思います。ぼくの言いたいことはこれだけかな。 262 名前:慧 ◆eBWUIXUMPI [sage] 投稿日:04/10/02(土) 17 51 09 ID pNZJeh0v 216 霧の縦走路 これも、結婚の話かなと。 二連目、三連目をまるごと削り、四連目の二行を採用して、書き足して、 結婚の旅立ちの詩に、書き直すことが出来そうな気がしましたが、どうでしょうか。 272 名前:iななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:04/10/03(日) 00 36 06 ID tb0tJtVB 1点 216 :霧の縦走路 :04/09/25 13 08 33 ID OhLZ0BTy 失礼。微笑ってしまった。……しまたった。テンをつけ杉だぁぁ!!! 274 名前:わに ◆Wani6uvhK. [sage] 投稿日:04/10/03(日) 01 25 24 ID EO76xuHd 216 :霧の縦走路 結婚式のスピーチのよう。こういう言い方は書き手に失礼かもしれませんが・・・ごめんなさい 恋愛って山あり谷あり、それぞれのカップルにいろんな物語があって結婚にこぎつける。 そんな感じを きみが、オレがって詩が多い中結構客観的に、そしてきれいにまとめられててすごい 804 名前:てるあき ◆DDfwggPC.. [] 投稿日:04/10/05(火) 06 56 12 ID x5RVhVlW チャンプの方おめでとう てるあきです 恋愛経験ゼロなので苦戦です 霧の縦走路を書きました 酷評食らった 欝た氏(ry 【得点】 1点 iななほし ◆lYiSp4aok.:1点 1 2 3 4 → 次へ ページ先頭へ トップページ
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/365.html
ページ:1 2 3 作品 ■▲▼ 一刻… 陽射しが軟らかな 或る昼下がり うとうとと 夢にもたれる… 逃れられない状況に 神経を尖らせ 他人を傷つける お返しに懸けられる言葉は 針になり突き刺さる 過敏な棘と針は きりきり痛む 抜く度,呻いて 弔いながら慰めながら 泪を零す 縋りつきたい背中は 虚像なのに 嫌われたくなく ましてやこんな 血達磨じゃ 振り向く訳がない そんなハリネズミは 嫌だから… 月の裏側へ無数の棘を どうぞそっと埋めさせて… 棘と一緒に 凍りつきたいけど 夢ですら赦されず 溜め息が零れる前に そっとこの場を離れる 気持ちが軽くなった 気がするから 家に帰る前に 蒼き地球を抱き締めながら 雲間で鳥と戯れてみよう… 目を閉じれば 逃避という名の微睡み そう… 爪先だけのdolce vistaへ 653-654 名前:一刻…[sage] 投稿日:2005/12/23(金) 22 19 12 ID jUs2uWP4 【コメント】 693 名前: ◆L4LyBSss3w [] 投稿日:2006/01/05(木) 02 28 28 ID ccVVprmL 653-654さん。 心理描写がメインの詩の場合、何処まで深く共感させるかがポイントになります。 赤裸になるべき場所で着飾るのは、逆効果に思えます。 697 名前:Canopus[] 投稿日:2006/01/05(木) 13 44 14 ID c4JmHU9/ 653-654 ことば遣いにセンスを感じるね。こうした脳内補完的な詩は好み じゃないけど、冗長さやことばの粗を減らしていくと、いい詩になりそう。 700 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/01/05(木) 21 25 46 ID JXSNVKaG 653-654 一刻 爪先だけのdolce vistaへ この一行が良かったと思う。 ■▲▼ 道 車を替えた 小さな空色の車 前のとくらべれば中はかなり狭いけど それでも座席は四つある 急ぐ旅じゃない お気に入りのCDかけて お気に入りの珈琲かって 道ゆく景色に目をむけながら 国道を西へと走る 「ロープウェイで登るんぞ。 あんたも行こや」 あの人の声と 空白のままの納経帳をつみこんで 雲べりの寺を目ざして 反対車線に 大荷物せおった遍路が見える 白装束に杖ついて 《同行二人》 笠の文字もおそらくは杖 その昔 病得て家追われ 打ち棄てられた者達が住まった道 生きるために歩いた者達の足跡を 空色の車でたどってゆく 座席四つもいらないけれど 疲れた時に全部倒して休めるのは 少しうれしい 急ぐ旅じゃない 帰る場所に 誰かを待たせた旅でもない 新しい車のアクセルを 足踏み気分で踏みこんで あれやこれや 語らうはずの話を思いながら 語った話を思いながら 雲べりの寺へと 雲べりの寺へと 《はるばると雲のほとりの寺にきて 月日をいまはふもとにぞ見る(雲辺寺御詠歌)》 CDにあわせて歌おう 同行二人嘘っぱちと毒づこう バカヤロウと声かれるまで叫んでやる 思い出もない車の中で 歩くことが生きることだった者達の 背を追って 655-656 名前:道[] 投稿日:2005/12/24(土) 16 48 30 ID d0safarx 【コメント】 683 名前:虫 ◆Yh5.nC8OlA [] 投稿日:2005/12/29(木) 15 18 31 ID 3d3NGWMW 655-656 道 1点 うーむ、個人的な好みを言いますと、前半の655だけでも よかったような気がします。空色の車、という表現が象徴的だしきれい。 693 名前: ◆L4LyBSss3w [] 投稿日:2006/01/05(木) 02 28 28 ID ccVVprmL 655-656さん。 弔いの唄。お遍路に題を取って、美しくまとまっています。 丁寧に描写されてゆく情景が、その裏に隠した喪失を際立たせて見事です。 旅の終わりに、その悲しみは昇華するのかな。 697 名前:Canopus[] 投稿日:2006/01/05(木) 13 44 14 ID c4JmHU9/ 655-656 構成的には文句なしで巧い。ただ、ひとり旅と寺の対比が今ひと つに思えるね。ここで語るべきは雲辺寺の歴史より情景描写だったかも。 700 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/01/05(木) 21 25 46 ID JXSNVKaG 655 道 お遍路さんと空色の車の融合が新しい感覚でよかった。自分の足で歩くわけじゃないんだよね。 今って本当はこうなんだなってあらためて感じました。 むやみに苦行になってないちょっとドライな感傷がきもちよかった。 31 名前:あぶく ◆OPBYKkBBNQ [] 投稿日:2006/01/06(金) 11 55 09 ID taiz2QAg 『道』書きました。 審査員の皆さま、お疲れさまでした。 評を読むのもまた楽しみで、言葉にならず漠然と感じていた思いが端的に言語化されていたり、よくわからない作品の意味、あまり感銘を受けなかった作品の味わいなどが示され、謎解きと言っていいのか、そんな感じの喜びが審査評にはあります。 【得点】 3点 虫 ◆Yh5.nC8OlA:1点 葉土 ◆Rain/1Ex.w:1点 Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点 ■▲▼ 師走 遠い太鼓の音たてて 寒風吹き降ろし 杉が鳴る どおんどおんどろどろ まきまき 寒いベお客さん ゆぎ降ってねえからなおさらだべ 粕汁飲みんさい よぐ眠れっがら 白鳥はどこにいるのだろう 擦れ合い横なぎにしなう葦の中 それとも骨に空気をためて上空に (カンパッテヤツダベ テエシタコトネエベ サイベリヤノコトオモエバヨウ) 目 覚めて ぱたりと無音 息が凍りついた布団抜け出し うすら明るい玄関あけて 足指曲げて下駄をがつりがつり 木戸を開くと 旅の朝のけしき 658 名前:師走 [] 投稿日:2005/12/24(土) 20 53 25 ID HyLeWcnA 【コメント】 693 名前: ◆L4LyBSss3w [] 投稿日:2006/01/05(木) 02 28 28 ID ccVVprmL 658さん。 はぁ…描かれなかった「朝のけしき」の美しさに脱帽です。 充分な質量を持って書かれた寒さと、匂い立つ程濃い人間の気配があってこそ 朝の眩しさが深く伝わるのでしょう。うん、この詩、大好き。 697 名前:Canopus[] 投稿日:2006/01/05(木) 13 44 14 ID c4JmHU9/ 658 小品としてよくまとまっている。3連めで夜の情景を際立たせた方が、 4連め以下の情景を鮮やかにさせそうだね。 700 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/01/05(木) 21 25 46 ID JXSNVKaG 658 師走 美しい。なんか久しぶりに音も情景も揃った詩情に浸りました。 708 名前:虫 ◆Yh5.nC8OlA [] 投稿日:2006/01/06(金) 01 43 00 ID b8VlPr9o 雨さん集計お疲れさまでした。確認しました。 師走書きました。 次のお題は「痛み」でお願いします。 投稿12日の24時まで、審査15日の24時まで、でよろしいでしょうか。 31 名前:あぶく ◆OPBYKkBBNQ [] 投稿日:2006/01/06(金) 11 55 09 ID taiz2QAg 虫さん、チャンプおめでとうございます。 私もあの作品世界に溜め息もれた一人です。《目 覚めて~》以後の言葉の連なり、行間にウットリ。国語の教科書に載ってても不思議じゃない気がする。『朝の景色はどのような景色だったのか書いてみましょう』との問題つきで(笑) 52 名前:虫[sage] 投稿日:2006/01/06(金) 21 33 27 ID u23duYtQ せっかく審査延長されたのに、 毎日飲み歩いていてしっかり読み込めなかったのが残念です。 師走の22日、強風の夜に書きましたのであんな内容です。自分では気に入ってます。 雨さん、あなたの評を読むと自分の詩が良いもののように見えますよ(笑)。 Canopusさん、自分にとって詩は視覚的なものと切り離せないので、情景描写に ついての評は耳が痛いです。 リーフレインさん、上記と同じ理由で嬉しい評をありがとうございます。擬音に頼らず 音を描写できたら良いのですが… あぶくさん、自分の好きな詩を書かれる方に褒めていただくのは実に嬉しいものです。 「道」の軽やかでありながらきちんと選択された言葉が気持ち良かったです。 他の読んでくださった方々にも感謝を。 にいちぇさんの気持ちがわかる…全部に寸評などとてもできない。なさる方を尊敬します。 【得点】 6点(チャンプ作品) ◆L4LyBSss3w:3点 葉土 ◆Rain/1Ex.w:2点 Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点 ■▲▼ まえあし 少し歩いた事があって 眠りについた事があって。 交差点には柔らかい死がぽつりぽつり 雪は降り方を勘違いしてた。 あの子が遠くをみていて、 僕はぞっとした。 やり方も知らないふりで ネジが回る音を聞いて。 「双六の真似をすればいいんだよな・・。」 「そうそう。」 659 名前:まえあし [sage] 投稿日:2005/12/24(土) 21 13 14 ID fFC+3iM0 【コメント】 693 名前: ◆L4LyBSss3w [] 投稿日:2006/01/05(木) 02 28 28 ID ccVVprmL 659さん。 説明過多な詩には萎える事が多いのですが、逆に足りな過ぎるのもどうか、と。 作者の内側では骨太に連結された言葉だとしても、あまりに断片化されていて 単一の詩としては散漫な印象を受けてしまいます。 697 名前:Canopus[] 投稿日:2006/01/05(木) 13 44 14 ID c4JmHU9/ 659 不思議な魅力がある作品なんだが…タイトルが、詩のほんの一部分に しか掛ってないように思えるね。「柔らかな死」も、余分な表現だと思う。 700 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/01/05(木) 21 25 46 ID JXSNVKaG 659 まえあし 全然わかんないんだけど、何回も読んでみたくなる魅力があります。 なんかあっちの世界を垣間見たような怖さと好奇心が混在したような気分。 ■▲▼ 猪 鹿 蝶 (1) 花を探して東北の景色、牡丹雪。 どこからともなくうろうろと雀の鳴き声が漂ってくるものの、瓦屋根に引っ掛かった厚みの為屋敷内に迄響かない雑音の類ではあったが、芯から冷え固まった松の枝雪、ボッサと揺らして走り去ったタイヤ跡だけが騒がしく静まり返った2005年の暮れに。 金あるところには一張羅も一日もんで腐り燃す程ありまして、金も。 年越しを優雅に還暦記念の温泉旅行にと充てた夫婦が留守にした家屋。三代続く宮造大工の魂が受け継がれているとは玄人にも計り知れない事柄でしょうが。 湯煙、吐き立つ泉に向かう旅人。胸ときめかせ浮かれ気分に、干柿吊した肝心な縁側の戸締まり肝心を忘れてしまうのは飼い猫の手柄で。 荷物を積み込む為に付いた足跡か、そこだけ黒泥砂利混じりのぬかるみになっている所に大小の足跡。 廊下の木目きっちり程よい感覚で天井を睨み、飛び上がってけのびする、目を付けたのは猫だけではありませんが。 漆塗りの縁から漂う特有の匂いが積もった雪。 猫も駆け上がり雪振るう板張りの筋に、ひゃっこい水が染み入り滲んで。 足を否応なしに止めさせる八畳の見事さ。 雪明かり揺らし縁側に付いた引き戸より見える菖蒲の池。 (2) 職人の粋な洒落が息づく、襖の縁が見えまして。 引っ掻き爪、肉肌露な紅筋に光沢はないが。 塗りの施し様、所々そのような紅の溝がある縁。 黒髪より黒光り、黒豆の煮付けとも劣らない色、艶の襖の縁。 縁を生かす為であろうか、襖紙はのっぺらぼうの無地、ただの白紙で。 座敷には、同じ職人が手懸けたと思われる漆塗りの小さな文机があるのみで、なんとも殺風景な居間でありました。 襖の丁度上に当たる部分には木製の透彫りの木枠がはめ込まれており、柄の無い襖に貫禄を与えているこれもまた見事な彫り物で、見て取れる大雑把な造形では一面紅葉に芋の様な動物と角と足の見事な鹿が襖二枚分の右手に一頭左手側には二頭見て取れ。 芋の様な動物は、土から掘り起こされっぱなしすっ転がっている芋の図体で見事な浮彫りの中、臭みといいますかぶち壊しとも取れますものが右手角の隅に一体あるのみで。 不気味さは然程でもなく、滑稽な芋の図体、良く見ると丹念に「く」の字に捲れ上がった毛並みとも思える模様が掘り付けられており、その間抜けな姿、長い根がほさほさと足の位置に付いた滑稽さで動物に見え。 決まり切った美に引き付けられるのは初めだけ。その辺の微妙な心理を突いた芳しい香の中の臭みであることは間違いありません。この芋の様な動物が襖の上の浮彫りを尚一層繊細で且つ優美なものとして眺められると。 くるりと見渡せばそれ以外装飾といえるものは無く。 「何をぬかすか、みょうばんでも身に擦っとけこの御短小茄子」 「馬鹿こけ、きっと襖を火炙りにすれば出てくるんだよ」 「芋、鹿、ではなくありゃ猪だろが、イ、ノ、シ、シ」 「芋だろこりゃどう見ても薩摩芋!」 居間にて泥棒同士が鉢合わせしている物騒な年末。 (3) 挙げ句の果てに鼻ぬっと突き合わせ、鏡餅体型、小太りの染み面初老が続け様に声を殺して風声でどしなりはじめる。「教養のない盗人など糞の役にもたたん物持ち帰り小銭チャリンチャリンやってるのが関の山だわ失せろこの」と。 「何だと?」と続けるのは惨めったら敷く痩せこけた若造か年寄りか見分けが付かない男。 イノシカチョウハイハイチョウハキセツゴトスガタヲカエルカラニシテ ホリツケナイデオクンナサレ オンナマゴニメグマレマスヨフニ 「芋、鹿、蝶!ときたか。ガッははぁっ互いに教養も無しだな」ついでに運も、金にも女にも見離されてと互いの身なりをじろじろと見やりながら口をつぐ見合う、白い四枚の襖を背に。 何にでも己の狭い範囲の知識で意味付けしなければ値打ちの定めようの無い事さえ、知恵の回らない泥棒が台所にてお節料理の重箱を開け摘み食いしているその頃。 襖の白に次々と溶けゆく。がらんと開け放たれた居間に無数の紋白蝶が飛び込む、冬の剣山より吹き上げる風散らし、誘われるよう。 他人様の家にて紅白歌合線に見入り、泥棒さえも戸締まり忘れて猫が見ている月向かい。 紋白蝶の大群も襖の白に寝静まり、栗きんとん頬張り涙する泥棒、寒気に廊下から足早に居間を見やればさわざわと。 薄暗い奥の居間に照明は無い。白い襖二つに巨大な蝶が薄ぼんやり浮かび上がっているではないか。 白い気配に感付きくわいを持ったまま、腹二段目の贅肉をつねる泥棒。対の側を見やる、痩けた頬に影を含ませ泥棒。 月明かり覗く丁度引き戸上に蝶形の刳り貫き。 過去から未来へと息づかせる生きた証も旅人と。 闇に飛ぶ蝶は雪国の大晦日に。夫婦の帰宅を待ちわびる泥棒、二人。 「芋鹿蝶でもぷっ」笑う、二人の泥棒が。 660-662 名前:猪 鹿 蝶 [] 投稿日:2005/12/24(土) 22 10 44 ID iirL3fzi 【コメント】 693 名前: ◆L4LyBSss3w [] 投稿日:2006/01/05(木) 02 28 28 ID ccVVprmL 660-662さん。 饒舌、さらに饒舌。でも散漫さは一切無く、きちんと計算された構成です。 落語と幽幻を掛け合わせた様な、何とも不思議な味のするものがたり、です。 むしろ短編小説として読ませた方がしっくりくるかな? 697 名前:Canopus[] 投稿日:2006/01/05(木) 13 44 14 ID c4JmHU9/ 660-662 パラレルワールドだね、完璧に。やけに肉感的な屋敷、現代の言 い回しとは思えない、つくり物っぽい二人の泥棒。面白く読みました。 701 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/01/05(木) 21 28 18 ID JXSNVKaG 660-662 猪鹿蝶 改行が邪魔、これはずっぱりつなげて書いたほうがいいと思う。 語りが面白くて、なんというかな、視点がどんどん飛んでいって、気の向くままに説明を加えてある ぴっちり気分をあわせるのがかなりしんどいのだけど、逆にあわせてしまうと日本昔話か怪談話の中に はいりこんだような気分になる。 家屋の描写が実に面白くて、あたしは、これどうも昔の料理屋(高級娼家)の家屋みたいだなって思った。 紅く染める格子戸とか、欄間や畳の遊び方が尋常じゃない。ただ、畳のへちってのは10年ごとに 変わってくから、2005年にいたるまでこり続けるのは並大抵じゃない。この豪奢な雰囲気と干し柿が 違和感。座敷に文机のみってのは無理な設定で、どっかに床の間に対応するもんが必要。 菖蒲は冬には葉を切ってしまうので、菖蒲の池と雪を重ねるのはまずい。 て、なんとなく細かいことが気になりながら読み続けてたんだけど。この妙な空間は面白かった。 白い蝶が舞うとこが実に幻想的です。 38 名前:竹輪メタリック〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/01/06(金) 15 03 05 ID a3ytGwz9 年末年始慌ただしい中 審査下さった審査員殿 誠に有難うございます お疲れさまです 猪 鹿 蝶 を書きました竹輪です カノープスさん雨さんリーフレインさん点数有難うございます 寸評付きで再度 全作品を鑑賞するのが 私のひそかなる楽しみになってきました 二度おいしく味わえましたです(^∀^) リーフレインさんの評の的確さには脱帽です 雪景色に蝶の幻想に繋がるふせんとして 春の幻を描きたかったのですが 菖蒲の季語を使いっぱなしにして雪景色の現在から剥離させる行を書き忘れてしまいました 丁寧に読んでくださり有難うございました 書いた日は旅先で日中花札をしていまして 大工さんの世間話の一フレーズから話を組み立てました 先代が男子しか生まれない大工の家系で 女の孫が欲しいと女の子の為の部屋を作ったりしたから 見事に女の子しか生まれないんで後継ぎどうすっぺ ってな世間話が種火となったのです 推敲も読み直しもしないまま東北の雪を堪能しながら 携帯で書いて投稿した読み直してみるとむちゃ作品ですけど 私は気に入ってます 読んで下さってありがとうm(_”_)m 【得点】 4点 ◆L4LyBSss3w:2点 葉土 ◆Rain/1Ex.w:1点 Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点 ■▲▼ 親心 あの子は本当にバカですよ 家にも帰らずまあぶらぶらぶらぶら 普通に仕事して普通に家庭を持ってくれればそれで満足だっていうのに それでいて本人は「こんな毎日が楽しい」って、返す言葉も無いですよ 育て方を間違えたのかしら? あんな子じゃなかったのに 664 名前:親心 [sage] 投稿日:2005/12/26(月) 20 16 37 ID JghgNHIv 【コメント】 693 名前: ◆L4LyBSss3w [] 投稿日:2006/01/05(木) 02 28 28 ID ccVVprmL 664さん。 親の心子知らず、をストレートに文章へ落とした感じの詩です。 只、ぼやきを越える部分が見えないのが残念。 698 名前:Canopus[] 投稿日:2006/01/05(木) 13 45 17 ID c4JmHU9/ 664 行間や余白を読めるようなことば回しの工夫がいりそうです。今のま まだと、あまり詩を感じないね。 701 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/01/05(木) 21 28 18 ID JXSNVKaG 664 親心 書いてるのは子供のほうだろうなあ。。 自虐的な詩ですなあ。 706 名前:にいちぇ ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2006/01/05(木) 23 19 15 ID PjCrYj/6 664に1点。 かわいい子には旅をさせよ、の格言を思い浮かべればニヤリとできる。 【得点】 1点 にいちぇ ◆UQRl.WeFEk:1点 ■▲▼ 終日の帰路 明るい月夜に白線が 向こうの山まで伸びてゆく 車のライトが私を追い抜くたびに つま先でふらついていた影法師は 素早く反時計回りで私の背に隠れ 月と私が話し出すと こっそり私の前を また歩き出す 遠くで虫たちが鳴いている 向こうの山の中腹に 小さくポツリと灯がともる あぁ、母さんがまっている 665 名前:終日の帰路 [sage] 投稿日:2005/12/26(月) 20 54 35 ID +9C4+CcK 【コメント】 694 名前: ◆L4LyBSss3w [] 投稿日:2006/01/05(木) 02 28 59 ID ccVVprmL 665さん。 とても詩情に溢れた、味わいの深い情景を切り抜く“目”を持っているのですね。 小手先のテクニックですが、改行や句読点を駆使して、読みに「リズム」を持たせる事を 意識すると、もっともっと深く読まれると思います。 698 名前:Canopus[] 投稿日:2006/01/05(木) 13 45 17 ID c4JmHU9/ 665 うーむ…丁寧な描写だね。影法師の部分は、出来そうでなかなか出来 ない描写です。いい。最終4行は、凡庸だったかも。 701 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/01/05(木) 21 28 18 ID JXSNVKaG 665 「終日の帰路」 影の扱いが実にいい。この山道をたった一人で歩いてかえるのは 非常に不安だけど、、詩的です。 ページ:1 2 3 ページ先頭へ トップページ
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/404.html
ページ:1 2 3 作品 ■▲▼ BEAUTIFUL DAYS 美は悪だ 612 名前:BEAUTIFUL DAYS 投稿日:2005/06/04(土) 14 56 39 ID whbfooC8 【コメント】 858 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/06/09(木) 01 33 11 ID Bgyv1WIY 612 :BEAUTIFUL DAYS:2005/06/04(土) 14 56 39 ID whbfooC8 うム。切れが悪い! 865 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2005/06/10(金) 22 36 14 ID GeVIf0uW 【612 :BEAUTIFUL DAYS 】 ――何故に!? いや、その答えは巷に溢れているとは思うんだけど、 だからと言って、これだけをポンと出されても、ズルイように思われます。 ■▲▼ 悲命 嵐に巻き込まれ あなたは飛んで行く 回転の中の逆回転は 角砂糖を粉雪に変えた 思い出の水時計の 碧色の液体は減ることしかできない もういいかな 右手に残る空気の感触 イラつくブレーキ音と 最後の鉄の味に 気分は最悪になったけど その悲鳴の命日だけは 美しいと思ってもいいかな 613 名前:悲命 投稿日:2005/06/04(土) 19 59 56 ID Yz/Zi7or 【コメント】 858 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/06/09(木) 01 33 11 ID Bgyv1WIY 613 :悲命 :2005/06/04(土) 19 59 56 ID Yz/Zi7or ちょっと、読むのに辛いかなぁ…… 865 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2005/06/10(金) 22 36 14 ID GeVIf0uW 【613 :悲命 】 詩的表現と説明的な部分が混ざっているようで、なんだか散漫な印象です。 ■▲▼ いよいよ美が 美しいものの洪水 美しいものの氾濫 美しいものが溢れかえって どうやら世界は輝いているらしい 俺はずっと考えていたはずだ 美しいものとは カラスの逆を言うのであろうと 信じ込んでいたはずだ よく覚えてねぇんだけどさ… ナパームの降る空 オレンジ色の服を着た 黄色いサルの芸者たちの大合唱 セックス・ピストルは 撃ち抜く的を知らなかったがゆえに 社会に尋ねたのだろう 「美しいこととは 本当のことかい?」 美しいものの洪水 いつしか俺は呑み込まれて 今、ふと気付けば 三流のポルノ雑誌を片手に ジャングルジムでオナニーしていたよ 614-615 名前:いよいよ美が 投稿日:2005/06/04(土) 22 55 59 ID grDZ3nLQ 【コメント】 641 名前:おしっこ ◆Ti0PcEbhdw 投稿日:2005/06/11(土) 01 11 32 ID iSoqgaKc 「いよいよ美が」最後の行が活きて、アイロニーな作品として一応成功していると思います。 646 名前:ヒゲルド ◆tuIUmOeA.. 投稿日:2005/06/11(土) 18 12 39 ID HCEQRtjh 614-615:いよいよ美が 「黄色いサルの芸者たちの大合唱 」これがフツーに「黄色いサルの大合唱」だったら点を入れてないと思う。 よくわからないけど、詩ってそういうもんだろ? 859 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/06/09(木) 01 35 56 ID Bgyv1WIY 614 :いよいよ美が :2005/06/04(土) 22 55 59 ID grDZ3nLQ テーマがあいまいだったかな? なんとなくわかるが…… 865 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2005/06/10(金) 22 36 14 ID GeVIf0uW 【614-615:いよいよ美が 】 これも焦点がボヤケているように思えます。 あと余談だけれど、カラスの羽の色は美しいと思います。 【得点】 2点 おしっこ ◆Ti0PcEbhdw:1点 ヒゲルド ◆tuIUmOeA..:1点 ■▲▼ うつくしいといいたい日には 目の前のおっぱいが ジーンズのたるみみたいに見えちまう 夜は 化粧に飽きたおばさんと 処女を気遣うロック歌手を 抱きしめよう クレオパトラに 唾を吐きかけたくなるような 雨の日は 時間を忘れたサラリーマンと 長靴を履いた不良達に 傘をさそう みんな気だるい陽射しの中で 身をとろかして 「美」なんてものを真剣に口ずさんでいる 美が醜より醜くても 美が幻想でもファシズムでも何でもいい うつくしいといいたい日には 退屈にのびきった爪をパチンときって アカンベーをしよう いつまでも死体の皮を剥ぐのをやめない醜女達に どぶねずみみたいに美しく生きたい勇者様達に 616 名前:うつくしいといいたい日には 投稿日:2005/06/05(日) 16 48 44 ID HdvrYFh8 【コメント】 859 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/06/09(木) 01 35 56 ID Bgyv1WIY 616 :うつくしいといいたい日には :2005/06/05(日) 16 48 44 ID HdvrYFh8 サラリーマンの幸せな毎日? 楽しそうだが……。 865 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2005/06/10(金) 22 36 14 ID GeVIf0uW 【616 :うつくしいといいたい日には 】 いいなぁ。殊更に美を探究しないでも、この人は当たり前に美しいものを見て、 美しいと言えるんだろうなぁと思われて、少し羨ましく思いました。 868 名前:葉土 [sage] 投稿日:2005/06/11(土) 23 28 29 ID 8ZO+a6OT 616 :うつくしいといいたい日には ちょとジャムった比喩が気持ちよかった。 逆説的に書いてあって、かえって美しいものを信じてるように読めたです. 【得点】 1点 葉土 ◆Rain/1Ex.w:1点 ■▲▼ 老人はなぜ死ななければならなかったか 熟練工の手先でリズミカルに箆(へら)を使いながら 「ま、これも通過儀礼ってもんだ」 草むらで嘔吐する背中に声をかける 「非番を駆り出されて、この手当てじゃあ、合わないけどよ」 白髪まじりは大バサミで肉塊をつまみとると、清掃夫の手つきで ビニール袋に入れた ――――――――――殺したのだ 緊急停止を告げるアナウンスが流れると、電車は傾き 人人は前のめりになる 車体が何かに乗り上げた ガガガガガガガ―― 異物が下を通過する振動 人身事故が発生しました 次の駅を告げるときと寸分違わぬ車掌のアナウンスの声 乗客の嘆声と舌打ちがさざ波のように広がる ――――――――――お前が殺したのだ ただいま運転手が救出に向かっております。お客様はもうしばらくお待ちください 「わたくし、他人に迷惑をかける人って最低に思いますわ」 帽子に羽根をさした年配の婦人の金の前歯が光った 「ヤラレタ。これで二度めだよ」 「夕食まだなんだ。遅くなるけど作っといて」 「もう、やってらんねーから、車で迎えにきてくれよ」 携帯に向かって口口にぶちまける ――――――――――お前が、お前たちが殺したのだ 老人はずぶ濡れで立っていた 列車の接近を告げる警報機の音は、いつもより ずいぶんと小さく聞こえた 一歩前に進める なぜか足は震えていなかった 頭のがらんどうの中に言葉が紐に結ばれてぶら下がっていた 奴らから浴びせられた言葉 それが蝿でも飛ぶような不規則な動きで 弧を描いて飛んでいた 点灯するシグナルが無機質のように赤い その光が再び感情に火を灯した 怒りでもなく悲哀でもない いったい何と名づけたらよいか、まるで検討がつかなかった とにかく、その感情をもう一度確かめねば 通過する電車の矢印に目をやって 老人は遮断機をくぐった いま、ひとが死んだ 電車の床の下に、轢死体が転がっている その紛れのない事実の上にあるこの空間で息を吸っている 死臭はまったくしない ――――――――――お前が殺した、お前が、お前が、お前が殺したのだ 殺したのだ、殺したのだ、殺したのだ、殺したのだ、殺したのだ、殺したのだ お前が 僕は美しい詩を読みたくない ましてや 美しいだけの詩など書きたくもない 617-621 名前:老人はなぜ死ななければならなかったか 投稿日:2005/06/05(日) 22 42 18 ID MB3uOBoa 【コメント】 641 名前:おしっこ ◆Ti0PcEbhdw 投稿日:2005/06/11(土) 01 11 32 ID iSoqgaKc 「老人はなぜ死ななければならなかったか」老人が投身した理由は、事故後の車内の乗客たちによる身勝手な言葉や思いにある訳で、時間を反転させてる所が面白い。老人はそんな社会の空気に殺されたのか?お前が殺したのフレーズも活きている。 646 名前:ヒゲルド ◆tuIUmOeA.. 投稿日:2005/06/11(土) 18 12 39 ID HCEQRtjh 617-621:老人はなぜ死ななければならなかったか 1点にして「タンポポ」と差をつけようかと最後まで迷いましたが、この作品、 巧い。圧倒的とは言えないまでも相当巧すぎて、1点の他の作品と並べるのが憚られました。 導入部からこちらを詩の世界に引き込む構成力はダントツだと思います。 好みで言えば嫌いなタイプの詩ですが、この方は言葉がどうしたらより迫力と重みを持って 我々の前に呈示できるか、をよく知っている方のように思えます。多分。 859 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/06/09(木) 01 35 56 ID Bgyv1WIY 617 :老人はなぜ死ななければならなかったか 1/5:2005/06/05(日) 22 42 18 ID MB3uOBoa 主張はよく理解できる。詩としては説明的な感じのする、情景?? ……かなぁ? 865 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2005/06/10(金) 22 36 14 ID GeVIf0uW 【617-621:老人はなぜ死ななければならなかったか 】 長い前ふりの後に、その結論ですか。なるほど、説得力があります。 ただ個人的には、現実逃避のために美しいだけの詩を読みたくなる時もあります。 868 名前:葉土 [sage] 投稿日:2005/06/11(土) 23 28 29 ID 8ZO+a6OT 617 老人はなぜ死ななければいけなかったのか 少し作りこみすぎという気がしました。 >僕は美しい詩を読みたくない >ましてや >美しいだけの詩など書きたくもない ここがとても良かった、ここを書くためだけに老人の話を作ったんだろうなと思います。 870 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [sage] 投稿日:2005/06/12(日) 17 58 21 ID 82tDpE6G みなさん、お疲れ様。集計の「雨」さん、ゼッケンさんありがとう。 今回はいろんなことが重なって、ひとつの詩になりました。 私の祖父は自殺しています。首吊り自殺です。 最近、人身事故の列車に初めて乗り合わせました。そのとき、思った。 「(私たちが)ひとを殺した」と。飛び込み自殺で、私が運転してたわけじゃない のはもちろんなんだけど、事実、私の電車がいま、ひとを轢いたのは事実なわけで、 そういう意味で「ひとを殺した」と。他の乗客の反応は詩の中にある通りで、 これも事実です。第1連と第4連は私の想像。 それと、もうひとつ。私の知人でK大学の哲学科でた奴がいて、そいつとひょんな 拍子で自殺の話になった。そいつはこう言い放った。 「自分で勝手に死ぬのだから、死なせておけばいい。自分には興味ない」 そんとき、私はそいつの胸倉つかんで殴ってやろうかと思った。 でもヘタレだから殴れんかった。 詩を書くときには、どこか心ん中で「コノヤロー」って気持ちがある。 ほんとは詩なんか書かなくて、殴りたいと思ったときは素直に殴れる人間 になりたい、という思いを強くしているこのごろです。 次回のお題は『カタカナ』。審査してくれるかた、詩を読むかたには、読みづらくって 大変だろうけれど、すいません。それと最近ずっと審査をサボって。たまにはと 思うんだけれど、気の乗らないときには、そんな気持ちが寸評に出てしまうのも いやなので最近ご無沙汰してます。 872 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [sage] 投稿日:2005/06/12(日) 22 53 06 ID zp1Y/iRv 寸評、点を入れてくれた方のお礼を兼ねて、ちょっと一言。 >ななほしさん 説明、というか、描写が多いという難点についてのご指摘かと思います。 確かに、構成といい、表現方法といい、小説風で詩にあらず、と言われれば その通り、というしかありません。 >シオンさん 以前「ストレート」な詩が好み、と言っていたかと思います。今回、ひねりも 何もなくて、ど真ん中のストレートすぎて、ポッカーんとホームランでも打たれた かと思われ。 >おしっこ氏(「おしっこさん」より「おしっこ氏」の方はかっこいい) 「ガイコツ」の詩を書いたときの氏の寸評が確か、「ひとの痛み云々」というもの だったように記憶しています。そこらへんの言葉もちょっとだけ頭の隅に置いて 今回書きました。 >ヒゲルトさん 今回は評価の予想は半信半疑でした。これまでこの詩より自信があったものが案外だったり したものだから。意外な好評に少し当惑しています。技巧面を指摘してくれたのは 正直嬉しかった。でも、構成以外に凝ったところは、あんまりないように思うんだけれども。 >葉土さん 逆です。初めに人身事故の詩を書いて、それだけでいい、お題からはずれていて0点でも いいかな、と最初は思いました。もちろんラスト2行の言葉も切実な思いから出たもの ではありましたが。この詩はほとんど即興で書きました。推敲はしていません。 878 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/06/13(月) 00 16 27 ID AQcuhq6K チャンプ、準チャンプ おめ~ 採点集計、乙枯れ様でした。 今回ひまがなくてシュウケイニサンカデキナカタデス。 ナナホシ。 872 :MUJINA ◆iXws.WGCLY :さん >ななほしさん 文章技術的なコトはあまりよくわかっていません。 死ぬ気になれば何か出来る。と、思うような。アンチテーゼのレベルで、 殺した側の余裕と言うか。何もしないの?……と、磁石のような反発が、 創作された話の極性・立場がよくわかるだけに……自殺しそうな側の極性・立場、……まさに磁石ですね。反発してしまいました。 こんかい、私はテッペン山を書きました。 感想、批評くださった方々ありがとーございまーすッス。デシタ。 881 名前:リーフレイン [sage] 投稿日:2005/06/13(月) 09 54 08 ID VQsRxLfh MUJINAさん、ちゃんぷおめでとーー。 読み違いすまん。。で、補足ね、作りこみすぎって感じたのは、棒線でひっぱった 人殺しの部分(各連の最後のとこね)繰り返しが饒舌に感じたです。かえって逆効果を もたらしたような気がする。(読者が”気づく”をとおりこしてしまってる) 情景描写のほうはよかった。 人の死って軽くて重いもんだと思ってる。あたしはあたしの感じられる範囲が狭いんで、 絵に描いたような死と、ずこーんと神経に響く死と両方があって、その両方が 同値であり異値でもあるように思います。コインの両面のようにくるくると変わる。 885 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [] 投稿日:2005/06/14(火) 00 56 33 ID wwubQ9V2 881 リーフレインさん 了解しました。「繰り返しが饒舌」――そうかも。 自分の詩のクセっていうのかな、そんなのが見えてきたような気がする。 「泥臭さ」があるんだよなあ。それをブラッシュアップすんのが洗練、っていう ものなんだけれど。そうすると、今度は面白くなくなっちゃう、ってか、自分の 詩らしくないような気がするし。でも、それ言うと、言い訳になっちゃうし。 結局、よくわかんないです。はい。 違う形で、泥臭さが残る詩、書けないかなあ。 【得点】 6点(チャンプ作品) ななほし ◆lYiSp4aok.:1点 シオン ◆poetsyov/2:1点 おしっこ ◆Ti0PcEbhdw:2点 ヒゲルド ◆tuIUmOeA..:2点 ■▲▼ タンポポ 剥げた白色蛍光灯を ひとつひとつとかぞえつつ いつものように、列車のなかで 草むしまぶしい川岸で 人生にかかわることもなく こいびとにわずらわされる こともなく ああなんて くだらないうたを かくれて口ずさみ 背もたれに寄りかかり どこかでだれかの真似をする そうこううんざり クソわらい 僕は生きることを さぼっているんだ うごいていたとき なにかだいじなことを したかったんだけど すっかりわすれた 痴呆の 太陽を眺めながら 目が血の気をなくして だんだんと沈んでいく あの感覚のなか なにかだれかに どうでもいいことを 教えたかったんだけど さけびすぎて もう喉がつぶれてしまって 黄金いろのような だいじなことになってしまった ホルダーの飲み残しから こぼれた液体がズボンについて だれか、のように輝いて それら光のうずに埋もれて ぼくは生きることをさぼっているんだ ぶすな女をけとばして ひとりになってすぎてゆく 季節は、そうだ にげているんだ どこへいこう つまらないから つまらないどっかへ行って とおくなる景色にむかい しまっていた笛をふいて ぼくは 電磁の反響で分解してゆく 622-623 名前:タンポポ 投稿日:2005/06/06(月) 22 15 51 ID YQZXzKiF 【コメント】 640 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/06/11(土) 00 54 05 ID 7A4Kv1Lm 2点 622-623 『タンポポ』 文章の美しさがスゴいね。地味なことば遣いが、 確かにタンポポになっています。やや諦めが強い内容になってるので、抗いを もう少し見せてもよかったかも。 646 名前:ヒゲルド ◆tuIUmOeA.. 投稿日:2005/06/11(土) 18 12 39 ID HCEQRtjh 622-623:タンポポ 今回はこの作品が自分の中では少し抜けていて、一番感動させてくれたので3点です。 完全に言葉を手の内に入れて自由に遊んでいる、 内容の暗さ、重さも含めて平易な言葉の列なんだけど上手に折り込みながら遊べている。 「そうこううんざり」「だいじなことになってしまった 」 という独特のリズムを有すフレーズがアリかナシかで評価は分かれるところだと思うが 自分にとってはそれもまたこの詩の一番の魅力のように感じました。美しい、と。 改行が意外とワンパターンでやや単調な気もしますけどね。(人のこと言えんのかよ!) 良い作品を読ませてくれてありがとう。 859 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/06/09(木) 01 35 56 ID Bgyv1WIY 622 :タンポポ:甲:2005/06/06(月) 22 15 51 ID YQZXzKiF なんとなくわかるのだが……。ちょと読み辛いかなぁ? 865 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2005/06/10(金) 22 36 14 ID GeVIf0uW 【622-623:タンポポ 】 イメージが曖昧な感じで、イマイチ繋がりませんでした。 868 名前:葉土 [sage] 投稿日:2005/06/11(土) 23 28 29 ID 8ZO+a6OT 622 タンポポ タンポポの綿帽子が飛んでゆく瞬間をスローモーションで見ているような気分でした。 【得点】 5点(準チャンプ作品) Canopus ◆DYj1h.j3e.:2点 ヒゲルド ◆tuIUmOeA..:3点 ■▲▼ それを食べてはいけない 女の美しさはまやかしである。 世に陰茎のうごめきがなかったならば それは幻として消失するものである。 女が女を美しいと思うことも同様 あくまでも陰茎がうごめきそうであるか 是と想定しうるものを美と認めるのである。 名勝の風景はつくりものである。 それはたとえ全き自然であっても自然でない。 なぜならそれらは既に人の頭によって切り抜かれてしまっている。 そこに発見はなくただ先人の手ほどきによって美の用意がなされている。 絵葉書の風景を美しいと呼ぶ者は美の本質を知らぬ。 美とはふいに出会うものである。 誰かによって用意されているものではない。 むしろ美は 名勝の陰の薄汚れたマンホールの上のたんぽぽにこそある まぐわう気勢を奮い立たせるための女性のまやかしの美も 絵葉書にして売るための名勝のつくりものの美も 心を楽しませてくれる甚だよいものではある。 発見しようとするならそれらの中にも美の本質を見出だすこともできよう。 しかしそれら自体は美の本質とは掛け離れているものである。 美の本質とは何か? それは人間と自然が調和する瞬間のあの感覚にある。 生きることに意味を求めてやまない人間と 人間に生きることの意味を用意してくれていない自然が 調和する奇跡的な瞬間に美は発生するのである。 それではここからが詩である。 俺のうんこが便器の壁をゆっくりと 滑り落ちる音を聞きながら 角のまろやかに蕩けた人参に くちづけをしたくなった カレーライスを食べた時には 見飽きた立方体であったあの人参が 黄金水に浮かぶ俺のうんこ に菫の花が咲く どの野の菫よりも綺麗だ 菫効果で俺のうんこが世界一綺麗だ 俺の中にこんなに綺麗なものがあったということに俺は感動する どのように綺麗だったのかとかどのように感動したかなんて 聞くな 今は思い出すまにおそろしい 個室の中の悪食の悪夢だ 624-625 名前:それを食べてはいけない 投稿日:2005/06/07(火) 00 38 51 ID C3PtLJVv 【コメント】 641 名前:おしっこ ◆Ti0PcEbhdw 投稿日:2005/06/11(土) 01 11 32 ID iSoqgaKc 「それを食べてはいけない」陰茎が立つから女は美しい。笑うからハッピーになる。確かにそうだとも言えるし、そうでないとも言える。「生きることに意味を~美は発生するのである。」の美学は良いと思います。最後の詩は糞。 859 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/06/09(木) 01 35 56 ID Bgyv1WIY 624 :それを食べてはいけない(1/2):2005/06/07(火) 00 38 51 ID C3PtLJVv 二節目の > 名勝の風景はつくりものである。 違和感がかすかに……。うん子はリア過ぎるかなぁ? 865 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2005/06/10(金) 22 36 14 ID GeVIf0uW 【624-625:それを食べてはいけない 】 しまった。もの凄く納得してしまいました。 「悪女に騙されました」的なオチがいいですね。 868 名前:葉土 [sage] 投稿日:2005/06/11(土) 23 28 29 ID 8ZO+a6OT 624 それを食べてはいけない ま、最終的スカトロになっちゃうとこがなんともかんともなんだけど うまいねえ、この流れは。。美の本質については異論ありそうです。。 887 名前:愛田谷善三 ◆K45XoPOb1Y [sage] 投稿日:2005/06/14(火) 12 39 21 ID fKV3d/6C 「それを食べてはいけない」を書きました。 お読みいただきありがとうございました。 冒頭の美学論の前半は三島由紀夫「女神」に登場する 画家の台詞からのパクリみたいなもんですが、 後半は(たぶん)私のオリジナルです。 たとえばグラビアアイドルや風景の写真は 予め人間の好みに作られたものであって、 正直美ではあるとは思うんですけど、 美の本質とは掛け離れてしまったコンビニエンスな美だと思うんですね。 そこでは美少女の体内のうんこは匿され、美しい風景の脇のマンホールも除かれている。 「美」よりも「綺麗」という言葉のほうが似合うと思います。 潔癖症的な綺麗さ。 事実それは清潔な紙の向こうに隔離されているわけで。 とはいえグラビアの場合はその紙の向こうに美少女の生々しい部分を想像して使用するわけですが、 その使用するという点も美の本質から掛け離れたことだと思うのです。 美とは役に立たないもの、体験することはできてもけっして手の届かないもの、 手に入れたと思ったらたちまちその輝きを失ってしまうようなもの。 食べ物等に美を乗せて楽しむことは美の本質に対する無自覚を育てることです。 それを食べてはいけない。美が美でなくなってしまう。 しかしこう書きながら自分の主張が絶対だなどとは思いませんし、 なにより詩は主張ではなく「そのもの」だと思うので、 最初は夕陽が主人公を包み一体になるというような詩を書こうと思っていたのが それではなんだか冒頭の美学論の主張証明みたいでつまらんなと思い、 気がつけばうんこの詩を書いていました。 orz 【得点】 3点 ななほし ◆lYiSp4aok.:1点 シオン ◆poetsyov/2:1点 Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点 ページ:1 2 3 ページ先頭へ トップページ
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/415.html
ページ:1 2 作品 ■▲▼ ドラマの数だけ生きている ドラマがある 人の数だけドラマがある でも オレの今までの人生はつまらなかった きっと これからも好いこと無いだろう それで どこがドラマなんだ? おもえば 苦労ってのは切り捨てられ始まるんだ つなぐ 人と人のきずな切られ切れて だから ドラマなんかになりっこない むかし じっと手をも見ると書いた人は どんな 人生を送ったんだろう? そこで 探求心がわき上がれば ドラマ 目に青葉山ホトトギスひと行かん 263 名前:ドラマの数だけ生きている 投稿日:2005/04/19(火) 20 54 25 ID pa4ZFpw5 【コメント】 281 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/24(日) 23 36 53 ID wsfZ6cu1 263 ドラマの数だけ生きている なーんか、独りよがりの独り言を聞かされているような。レールからはずれたほうが 人生にはドラマがあります。これマイ実感。 847 名前:葉土@出先 [sage] 投稿日:2005/04/24(日) 19 58 15 ID TOsCsn+6 263 「ドラマの数だけ生きている」 何でもドラマだっていうことであれば、同意いたします。。 つなぐ苦労ってのもあるんじゃないかと思ったりもしました。 ■▲▼ ホームドラマ ホームドラマに波風吹いて 夫婦はだんまり卓につき 娘は渋谷で遊んでるらしい ホームドラマに波風吹いて 茶碗のめしは冷えてゆき 妻は浮気をしてるらしい 心配と疑いがないまぜになって しおたれ主人の口中に 浅漬けきゅうりは味気なく フローリングにころがって 眺めいるテレビのひかり青白く 主人の顔にはくまができている! ホームドラマに波風吹いて 頬を打たれた妻が泣き 頬を打たれた娘が泣いて いよいよ主人のくまは濃い ホームドラマに波風吹いて 頬を打たれた妻が去り 頬を打たれた娘が出て ついに主人はひとりきりだ 暴漢に囲まれた娘をビッグスクーターで 助けにいくこともできたろうに 浮気相手に捨てられた妻を初めてのデートの場所で 抱きしめることもできたろうに 劇的なことを主人はついに信じない! 起こりうる奇跡に主人はひたすら背を向けて 青白い顔でテレビを見続ける ホームドラマは終わったというのに 264-265 名前:ホームドラマ 投稿日:2005/04/19(火) 22 38 06 ID AeZPaxxt 【コメント】 276 名前:ギロチン・マリー ◆ZKKEnLZjOY 投稿日:2005/04/24(日) 15 05 08 ID jEMH8I0N 好きなもの挙げると、 262 :日ノ御崎、 264-265 :ホームドラマ 、 268-269 :新谷さん 281 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/24(日) 23 36 53 ID wsfZ6cu1 264-265 ホームドラマ 都都逸調で滑稽味をねらっている。「浅漬けきゅうり」のところが面白かった (間違えて、「浅漬けきゅうい」と読んでしまった。このほうがよかったかも)。 こういう家庭って、案外多いかもしれない。笑えそうで笑えない結末。 282 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/24(日) 23 56 59 ID uAXOuavC 1点 264-265 :ホームドラマ 事件は起こらずただ人間の在り様だけがそこに示されるという方法は90年代演劇を代表するドラマツルギーで、 この作品は連を接いで出来事を列挙していく方法によりそれを詩の中に取り込んだかのように見える。 が、彼らを見つめる作者の視線が本質的な意味で軽すぎる。 847 名前:葉土@出先 [sage] 投稿日:2005/04/24(日) 19 58 15 ID TOsCsn+6 264 「ホームドラマ」 ドラマにならなかったホームで、それがまたホームドラマを形成してる。 857 名前:まーろっく [sage] 投稿日:2005/04/26(火) 21 56 54 ID L+6SujES ヒゲルドさんチャンプおめでとう。 今回僕は「ホームドラマ」を書きました。 審査のみなさん、集計進行の方お疲れさまです。ありがとうございました。 【得点】 1点 園川 ◆nWfXpQxHHM:1点 ■▲▼ 現象学 私は君を見るのだけど 君は僕の前にはいない そして僕は君が静かに僕の 知覚を撫でていったことだけを思いながら 静かに直線的な道路の上で後ろを振り返る 君と僕との 距離 と 空間 という概念が 創出されたのはもう君が去った後で 君が僕を思い描くのは 恐らくないだろうけど 僕は静かに君という記憶を愛でる 君が夕刻であったのなら この思いはいづれ幕を閉じ 終わりを告げるのだけど それは私が 砂場で数式を解いている 限り終わりはしない 考えることをよさないか 例えば火曜日の午後に 紅茶を飲むように 桟橋の先で 雨が降る ただそれだけのことが 確実に存在しているなんて 266-267 名前:現象学 投稿日:2005/04/21(木) 00 56 27 ID rLGlDaBv 【コメント】 275 名前:おしっこ ◆Ti0PcEbhdw 投稿日:2005/04/23(土) 23 39 31 ID TmV2mLWH ・・・2点 266-267『現象学』 恋して考えれば考えるほど、相手の存在は頭の中で造り上げられたものになり、あるがまま他者であることから離れてゆく。考えようによっては、人間の認識はすべて創り上げられたドラマなのかもね。 281 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/24(日) 23 36 53 ID wsfZ6cu1 266-267 現象学 現象学、という哲学領域じたい、向こうからやってくる事物がどうやって了解される かっていうドラマ性を含んでいる。そこに目をつけたのはいい。でも、距離と時間に 還元されるっていうのは、なんか、ありきたりというか。ラスト3連は叙情的でいいですね。 844 名前:おしっこ ◆Ti0PcEbhdw [] 投稿日:2005/04/24(日) 01 05 24 ID nXnzErSo 今回、投稿が少なかったですね。投稿期間も短かったような・・・ 『現象学』と言う作品に2点を入れましたが、大学時代、フッサールの「イデーン」(フルサトのオデンではない)を原書で読まされた悪夢のような日々が蘇ってきました。どうか夢に出ませんように! わたくし、今回はシェイクスピアの4大悲劇をアレンジした長大な問題作を投稿しようと目論んだのですが、みごと頓挫しました。 出だしは、台風に見舞われている東京のビル街に、綺麗は汚い、汚いは綺麗、と歌いながら舞い踊る3人の魔女が降り立つ場面で始まるものだったのですが、力量不足でしたw ・・・それでは皆さん、また! 847 名前:葉土@出先 [sage] 投稿日:2005/04/24(日) 19 58 15 ID TOsCsn+6 266 「現象学」 なんか前のお題を引き継いできたような雰囲気でした。 「我思う ゆえに あなたがある」ですね。。 【得点】 2点(準チャンプ作品) おしっこ ◆Ti0PcEbhdw:1点 ■▲▼ 新谷さん 新谷さん しんたにさん おっぱいの大きな し ん た に 新谷さん そのくせ わりかし ぴたぴたの Tシャツを 好み 困らせる し ん た に 新谷さん 新谷さんの おっぱい 健全で寂れた郊外の 極めて落ち着きのある そのまた ありふれた風景に しんたに チョコレイト工場で 朝から晩まで懸命に働く 新谷さん 仕事を終えた 18時半のしんたにさんは いろん な な 匂い 汗香水シガレット粉塵チョコレイトエトセトラ...... 新谷さんの放つ匂いは みんな好い匂い 新谷さんの フルコース どんよりとした煙を吐き出し虚空を見上げる 新 谷 さん 疲労感に満ちた表情に鮮やかなルージュ(以外と若作りな)が映える 新 谷 さん 解けかけのパーマに酸いと甘いの反復手馴れた30手前の 新 谷 さん 黒目がちで特に美人じゃない しんたにさん 少しぽっちゃりでも全然平気 抱きたい新谷さん 白い肌を噛みたくなるような新谷さん 森羅万象 とはしんたに さん 天変地異 とはしんたに さん 豪放磊落 とはしんたに さん 五臓六腑 とはしんたに さん 傍若無人 とはしんたに さん 新谷さん大好き し ん た し ん た に しんたにさん 新谷さんと遊びたい 戯曲「Sintani-San」 のシナリオだけが帯状に行進 演じる前に ひとりでに完結 し ん た に さん しんたにさんの淫靡 しんたにさんの行為 しんたにさんの体液 しんたにさんの触感 しんたにさんの皮膚を食い破り柔い脂肪に穴を掘り青白い静脈に到達して溶けたい し ん た に新谷さんの老廃物さえも大好き新谷さん 268-269 名前:新谷さん 投稿日:2005/04/21(木) 01 45 24 ID HRYfK3CW 【コメント】 275 名前:おしっこ ◆Ti0PcEbhdw 投稿日:2005/04/23(土) 23 39 31 ID TmV2mLWH 269『新谷さん』 新谷さんへの想いにドラマ性を感じてるのかな?新谷さんまみれの表現に力量を感じたw 276 名前:ギロチン・マリー ◆ZKKEnLZjOY 投稿日:2005/04/24(日) 15 05 08 ID jEMH8I0N 好きなもの挙げると、 262 :日ノ御崎、 264-265 :ホームドラマ 、 268-269 :新谷さん 282 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/24(日) 23 56 59 ID uAXOuavC 3点 268-269 :新谷さん お題とのかかわりで言えば戯曲の帯のくだりだけだが、固有名詞で上手く遊んだ点と完成度で 283 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/25(月) 00 09 24 ID vYwlE9Nh 268-269 新谷さん 1/2から2/2への崩れかたにちょっととまどった。両方のテイストはともに好き。 四字熟語はややイージーかな。最後の2行は――この変態野郎! でも好き。 しんたに というリズム感がいつしか心地よい快感に変わっていった。これは 山田でも佐藤でも不可能だったろう。 (中略) 【2点】 >268-269 新谷さん…「ドラマ」のお題には遠かったが、不思議に心に残る詩でした。 287 名前:ヒゲルド ◆tuIUmOeA.. 投稿日:2005/04/26(火) 08 20 32 ID dvWfsaQl どうも。「新谷さん」を書いた者です。 こんな作品でチャンプになって申し訳ねえ、平にご容赦を 次のテーマは「世界」 投稿締め切りは5/3 23 59まで 審査締め切りは5/6 23 59までお願いします。 847 名前:葉土@出先 [sage] 投稿日:2005/04/24(日) 19 58 15 ID TOsCsn+6 268「新谷さん」 四分音符四拍と八分音符4つ(2拍分)4分音符一つ、四分休符一つ の2小節が頭の中をぐるぐる 踊ってましたよーーーー。 たん たん たん たん|たたたた たん うん もう中身はどうでもよくって、リズム感だけで楽しかった。。。(いやこれは失礼な言い方でした) 中身も面白かった。最後もう少しコミカルに終わってほしいかも。。 849 名前:名前はいらない [] 投稿日:2005/04/26(火) 00 25 24 ID CB3g3CDD ホンスレ、不思議と心に残るのに「ドラマ」とは遠いとは? ドラマって心に残るお話。ではないの? と、突っ込んでみる >【2点】 >>268-269 新谷さん…「ドラマ」のお題には遠かったが、 > 不思議に心に残る詩でした。 853 名前:リーフレイン [sage] 投稿日:2005/04/26(火) 12 14 44 ID uFaaYQQU >新谷さん、ちゃんぷおめでとございます。いやあもう、頭んなかに今でも あの4拍子が踊りまくってますよ。。 審査の人ご苦労さまです、ありがとうございました。 858 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [] 投稿日:2005/04/26(火) 23 30 48 ID J3M6KiIY 849 ドラマから受ける印象は、受け取る個人によって当然、違っていいはずです。 もちろん「心に残るお話」でも。出題者の園川さんは、「ドラマツルギー」という 意味合いで出題したわけで、これはテレビのドラマやドラマチックとは、微妙に ニュアンスが違うのは当然。で、本格的な「ドラマツルギー」を語るとなると、 それこそギリシャ悲劇から話を始めて、ニーチェはもちろん中村雄二郎あたりまで 押さえなくちゃならい話になって、とても私ひとりの手にはおえない。 そんなわけで、私の及ぶ限りで「ドラマ」について、つらつら考えると――。 ドラマは演劇性とでもとってもいいかと思います(もちろん多義的な意味がありますが)。 で、まず「場」というものが前提にある。芝居の場合は、舞台がそれにあたんだけど。 そして、役者が物語りをつむぎ出す。ドラマがほかの文芸と違うのは、身体で語る、 というところに重きをおく、というのが、何より演劇性の特徴だと思う。 コトバの身体が韻律やリズムにあるとするならば、「新谷さん」は、まさしく 身体を持った詩ということができると思う。でも、園川さんも言っていたように、 ドラマがダイアローグ、対話にあるとするなら、「新谷さん」は同じ舞台芸術 でも一人芝居、というか、舞踏に近いかな、と思ってみたりする。だから、 そういう意味で、「お題から遠い」と言ったわけです。もちろん、そうだから と言って、チャンプの栄光に傷がつくことはさらさらありませんが。 859 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [] 投稿日:2005/04/26(火) 23 46 47 ID J3M6KiIY 遅ればせながら、ヒゲルドさん、ちゃんぷ戴冠おめ、です。 私は今回、締め切りを間違えて投稿できませんでした。それでなくても、正直 今回のお題はお手上げで、書ける自信がありませんでした。もう、まったく出題者 の園川さん、責任をとって模範解答を書いてください(けっこう、これマジで 言ってます。完成した暁には、ほかのスレで公開してほしい)。皆勤賞で毎回 投稿しているひとは、ほんとスゲ-って思います。 862 名前:ヒゲルド ◆tuIUmOeA.. [] 投稿日:2005/04/27(水) 00 14 55 ID lGJiQC9f えー、改めまして、まだ新参者のアタシがこの度チャンプということで、どうもです。 実はこの詩、時間が無くて全く推敲していません。 はっきり言って今まで投稿した中で一番手を抜いています(殴) ですからゼッケンさんの言葉を借りるまでも無く自分でも突っ込みどころ満載で、 そんな作品が選ばれるのですから詩というのはわからないものです。 、、、恥ずかしいなあ。でも僕は精神貧困なので、タダでチャンプの称号が貰えるならば ありがたく頂戴しておきます。今回は投稿数も何故か極端に少なかったということで、 「こんな回もあるさ」と大目に見ていただけたら幸いです。 審査員の方々、本当にありがとうございました。 僕は作品がどう読まれようと一向に構わない人間ですので、自身の意図や詩に込めた思い等 説明するのはあまり好きではないのですが、今回園川氏、MUJINA氏から 「テーマから遠い」というご指摘を受けまして、それについて少しだけ弁明させてもらえれば、 僕にも園川氏の言うようにドラマ=他者との関係の中に生まれる或る出来事、という認識は あった訳でして、自身と他者のコミュニケーションに拠る相互作用、つまり関係性の変容こそが 「ドラマ」足りうる必要条件であると思った為、それでは絶対的にドラマに成り得ないストーリー (つまり、「演者」の居ない、ある男の脳内だけで構築された、他者性を一切排除した妄想の独白) を描くことで逆に「ドラマ」という概念を浮き立たせることが出来るのではないか、と想定した 次第であります。無理があり過ぎたのは百も承知ですがw ま、それはおまけ程度で、今回はリーフレインさん言うところの4拍子のリズム、「シンタニサン」 というスタカートのついた様な軽快な日本語で遊んでみたかったというのが本音です。 ちなみにこの「新谷さん」という人物は実在しません。モデルはいますが、その人のことは好きでも 何でもありませんし。ついでに言うと僕は極めてノーマルな性癖の持ち主であります。 、、、どうでもいいですね。 次回は出題者ということもあり、僭越ながら審査員として参加させていただきたいと思って おりますので、宣言がてら、それでは。 863 名前:名前はいらない [sage] 投稿日:2005/04/27(水) 02 12 01 ID 2HVfCtVQ 862 それじゃ、難しく考えずとも、 おしっこさんの言った、新谷さんへの想いにドラマ性を感じてる、と謂うことでいい訳ですね。 864 名前:ヒゲルド ◆tuIUmOeA.. [sage] 投稿日:2005/04/27(水) 08 34 04 ID lGJiQC9f 863 / ̄ ̄ ̄ ̄~\ / /ノノノノVV人| / / / \| | / (・) (・)| (61 つ | | | \__/ .| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | \ \/ / < イイんです! /| \__/\ \__________ 【得点】 6点(チャンプ作品) おしっこ ◆Ti0PcEbhdw:1点 園川 ◆nWfXpQxHHM:3点 MUJINA ◆iXws.WGCLY:2点 ■▲▼ 詩である ぼくは詩人であるよりも まず いつの日にか ぼくが詩になる それを望んでいたようなのだが ぼくの体質はどうしようもなく ぼくを詩人にしちまってさ 雪を掘る子供たちの手ぶくろ 綿毛を飛ばす公園の陽だまり 流れ始めた雲を映す水たまり そういうものに がまんして 触れずに そのまま立ち去ったことを すこしさみしく思い出す それら、聖域 そういうものに あなたは ぼくの初めての詩の師匠があなたで ぼくは あなたの言ったことを覚えている。 詩人の正直さとは おなかが減った と言うことではなく、 あなたの持っているそれをください と言うこと。 ならば師匠、あのとき、ぼくはあなたに 結婚してください ではなく、 ぼくを裏切らないでください と言うべきだったのだろう。 詩となるにはぼくは あまりに人が恋しい。 あなたのことを思い出しては 傷口がふさがることを おそれる。 270 名前:詩である 投稿日:2005/04/22(金) 13 30 05 ID HaOfSvu4 【コメント】 275 名前:おしっこ ◆Ti0PcEbhdw 投稿日:2005/04/23(土) 23 39 31 ID TmV2mLWH 270『詩である』 文学にはまったく関心ないけど、この人の生き方は詩だな~って思うことある。 283 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/25(月) 00 09 24 ID vYwlE9Nh 270 詩である 「詩人の正直さとは――」ってところが、言い得て妙。とても勉強になりました。 でも、「ぼくを裏切らないで」が絶妙な切りかえしになっているかどうか。 こんな詩の師匠を私も見つけてみたい。 847 名前:葉土@出先 [sage] 投稿日:2005/04/24(日) 19 58 15 ID TOsCsn+6 270 詩である 前半の美しい詩 が恋という他者を絡めて書いていったために どうも陳腐に落ちていってしまったような雰囲気がしました。多分「どらま」を「どらまちっく」 に捕らえて、ドラマチックなドラマの演出に足を取られたのじゃないかと推測します。 ”詩を書くより詩になりたい”というテーマだけで追っかけた方がいいものになった予感がします。 854 名前:ぜっけん ◆ZKKEnLZjOY [sage] 投稿日:2005/04/26(火) 12 15 50 ID hZ3auzFq ちゃうがな。ゼッケンです。 850 ホンスレの方で多重投稿疑惑と言ったのは本気じゃなかったんです、だから、 またもやゼッケンもういちどゼッケンと叩き売りにかけるのは勘弁してください。 そもそも、今回、私は投稿していません。うそです。「詩である」を書きました。正解ピンポン。 私には「日ノ御崎」の作者さんのように叙情と風景を織り交ぜて乾いた旅情を醸すワザはないし、 「ドラマの数だけ~」の作者さんのようさわやかに印象深い引用をすることもできませんから。 いや、どちらもこれからできるようにしましょう、十年後ぐらいには。 しかし、850さん、ヒゲルドさんのぶんも外れてるじゃないですか。。。 で、ヒゲルドさんには、チャンプおめでとうございます。 最後の2行は言葉が大げさ(わざとだろうけど)で、 それがそれまでの肌に張り付くねちねちとした観察から構成される、 ほほう、ヤラシイですなあ(鼻息)、という風情が、 「肌を食い破りたい」という健全な狂気にあっさり取って代わられたのが 私にはちょっと浮いて見えた。この2行は中盤に持ってきたほうが 変態度はあがると思います(私的には)。 847 葉土さん、今回のは、いままででいちばん悔いの残る作品になりました。 ホンスレ 283 MUJINAさん、そうでしょう? あれはうまくなかった。自分でも残念。 ホンスレ 275 おしっこさん(と書いていつも思わず笑ってしまう。ごめんなさい)、 生き方ていうか、その人がそこにいる、ということがすでにステキだったら、 そんな自分だったら楽だなあ、なんて思ったりしますよ。 他に書くことあったっけ? 思い出したらまたお手紙します。それまで。 【得点】 1点 おしっこ ◆Ti0PcEbhdw:1点 ■▲▼ 狭間 延々と引き伸ばされた黄昏の中で 歩き回る影に出会った。 後ろにある扉の向こうには それぞれの陽が待っていたのだが アラクネの糸を引きずりながら 影は影のまま 薄暮の世界を歩く。 叶えることがなかった夢の残滓が 錆色を帯びたガラスの破片となって散らばり、 叶えられることがなかった憧れが 死した猿で飾られた棺に眠る。 空間を越えて絡み合う広大な迷路は湾曲した鏡面で飾られ、 影は、自らの容貌に驚き、喜び、醜悪さに目を逸らした。 影と出会い、 互いの灰色に染まった指を絡めた。 それぞれの陽の世界では、青ざめた白の手袋で隠された指は この黄昏の中では 肌に生えた棘も、後ろめたく染まった色も 安堵とともに晒される。 冷え冷えとした腕に抱かれ、底の見えない琥珀の溜りに手を差し入れる。 音にならない悲鳴のサイレン しどけない哄笑 命の透明な焔。 ”アラクネの糸を切るものよ 自らの糸を切るものよ どの扉の果てへ還るのか” あらゆる影は 陽の向こう、たった一つの扉に向かう。 271 名前:「狭間」 投稿日:2005/04/22(金) 15 34 08 ID FiS6zYc1 【コメント】 275 名前:おしっこ ◆Ti0PcEbhdw 投稿日:2005/04/23(土) 23 39 31 ID TmV2mLWH 271『狭間』 アラクネの糸を検索してみたら、ファイナルファンタジーが出てきた。ゲームの一場面を作品化したのかな?多義的な表現がかっこいい。 283 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/25(月) 00 09 24 ID vYwlE9Nh 271 狭間 なんか、どこかで見てきたような修辞。雰囲気はあるのに。それだからこそ、第3連 の「死んだ猿で飾られた棺」は唐突ではあるが、目に新しく面白かった。 847 名前:葉土@出先 [sage] 投稿日:2005/04/24(日) 19 58 15 ID TOsCsn+6 271 「狭間」 2ちゃんねらーによる 2ちゃんねらーのための 詩でしたね。。 852 名前:リーフレイン [sage] 投稿日:2005/04/26(火) 12 12 25 ID uFaaYQQU 850 狭間はあたり でっせ 判るよな詩ばっかし書いたらあかんねえ。。反省。。 【得点】 1点 おしっこ ◆Ti0PcEbhdw:1点 ページ:1 2 ページ先頭へ トップページ
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/2949.html
646 :Monolith兵:2014/04/30(水) 22 08 29 ネタSS「民営空母出撃す!」 1939年に始まった第2次世界大戦は、当初こそまやかし戦争といわれるほど平穏の中にあったが、翌年には急襲によりフランスが降伏し、イギリスは大陸の足がかりと同盟国を失い、欧州で孤立することになった。 一旦は日本の支援を断ったイギリスも、さすがに形振り構わなくなり、日本にさまざまな支援の要請をし、40年末には参戦することになった。 そして、日本陸海軍が欧州に派遣されることになったのだが、欧州に向かうのは何も軍隊だけではなかった。 「こちら3番機、9時方向に潜水艦発見!」 古めかしい複葉戦闘機、93式艦戦を操る栗原高志は眼下で輸送船を狙おうとするUボートを見つけ、報告してすぐに緩降下に入った。そして、翼下に吊り下げた60キロ爆弾を叩きつけた。暫くすると海面から複数の水柱が真上に吹き上がる。 『油が上がったぞ!撃沈だ!!』 無線機から同僚の高橋から撃沈確実の報告が入った。栗原は小さくガッツポーズを作り、海面を見下ろした。見ると、確かに重油が浮かび上がっているのが見て取れた。そこに、1機の93式艦戦が反復爆撃をしようと降下しているのが見えた。 これは、栗原の戦果を疑っているのではなく、Uボートの艦長の中には重油やごみ等を魚雷発射管から放出して、あたかも撃沈されたかのように偽装するものがいるのだ。それを防ぐためにダメ押しである。 『今夜は酒盛りだ!本当にイギリス様様だな!』 いつも厚化粧したけばけばしいオカマ…もとい戦闘主任のお豊が大声で喝采をあげていた。 日本が第2次世界大戦に本格参戦して以降、日本は多くの艦艇をイギリスに派遣していた。しかし、それでも護衛艦艇は数が足りなかった。そこで穴埋めというのは語弊があるが、補完に使われたのが海援隊を初めとする民間軍事会社であった。栗原の所属する極東警備株式会社も日本から遥々イギリスへと来ていたのだ。 といっても、極東警備は日本が参戦する前からイギリスと契約を結び船団護衛の任務についていた。これは、極東警備が保有する唯一にして最大戦力の艦が関係していた。 647 :Monolith兵:2014/04/30(水) 22 09 30 「3番機これより着艦する。」 『着艦を許可する。』 栗原は着艦しようと速度を落としてゆっくりと降下していく。タイヤが甲板に接触し、機体が着艦フックに係りようやく機体は停止した。 「ふう。いつやってもひやひやするな。」 そういった栗原が降り立ったのは空母だった。だが、民間会社が空母を保有するなどで気はしない。極東警備が保有するこの梁山泊は貨物船を改造した空母もどきなのだ。貨物船としての機能は保有しつつ、艦上部に飛行甲板だけを載せた質素なものだ。エレベーターも無く艦載機は全て露天駐機で、8500トンと空母としては小型ゆえに艦載機数はわずかに6機。防御火器も海軍ほど潤沢ではなく、旧式の75ミリ単装高角砲2基2門と12.7ミリ対空単装機銃がわずかに7基7丁あるだけだ。 こんな失敗兵器を各国とも空母としては見なしてはおらず、極東の民間軍事会社が変な空母もどきを持っているようだ、と笑い話になるくらいだった。じっさい、梁山泊は航空機を載せられる貨物船でしかないのだ。 だがここに来て、梁山泊は護衛艦、対潜艦として優秀な性能を見せ付けていた。いくら艦載機数が少なかろうと、旧式ながらも航空機を運用できるのは対潜水艦戦では大きなアドバンテージとなるのだ。梁山泊の活躍を見て、ロイヤルネイビーも艦艇の不足を補うために貨物船やタンカー改造の空母もどきを複数整備しているほどだから、梁山泊はイギリスの船乗りたちにはかなり知られた存在になりつつあったのだ。 「んもー、高志ちゃんったらいつの間にかこんなに成長しちゃって☆」 「え、い、いやー、まぐれですよ、まぐれ。」 栗原はこのなれなれしいオカ…上司にたじたじになりながらも答えた。お豊は性格はこんなだが、操縦の腕は確かだし、空に上がると性格も頼もしくなるので無辜にはできないのだ。 「でもー、入社して半年でもう潜水艦撃沈4でしょう?凄い、凄すぎるわー。ついでに私も撃沈してー♪」 そう言って栗原に抱きつこうとするが、一瞬の差で何とかこのオカマから逃れることができた。そして、艦内へと足早に逃げていく。お豊は唯の冗談だったらしく、その場でけらけら笑うだけで追いかけてこなくて、ほっとした栗原だった。 648 :Monolith兵:2014/04/30(水) 22 10 07 このようにして、梁山泊は地中海や北海の船団護衛をしていたが、プリマスに3日間の入港する事となった。艦載機の部品の補充や各種弾薬の補充などを行うためだ。 このころになると、イギリスには日本の航空部隊が多数派遣されるようになり、中には96式戦闘機が配備されたりしていた。梁山泊も一度は96式の導入を考えていたが、さすがに空母もどきでは飛行甲板の長さが足りなかった。その代わりに、梁山泊を元に作られたMACシップ用のシーハリケーンを93式と入れ替えていた。また、艦爆も旧式の94式から(外見は旧式だが)ソードフィッシュに入れ替えており、戦闘能力は格段に上昇していた。 「おー、あれが天城に赤城か。でかいなぁー。」 高橋が港から出て行く第7艦隊の空母を見ながらしきりに感嘆の声を上げていた。しかし、栗原はそんな気にはなれなかった。それもそのはず。空母飛行隊という接点の無かった所とはいえ、海軍航空隊は栗原の古巣なのだ。あの理不尽な日々を思い出して、素直に空母を見て喜ぶなどということは出来そうに無かった。 「おーい、ここにいたのか。探したぞ。」 そう言って、二人に声をかけたのは戦闘機隊2番機を預かる小笠原であった。 「どうした。何かあったのか?」 栗原も疑問に思い首をかしげた。 「帰るんだよ。もう戦争も終わったし、太平洋のほうはきな臭いから、今度は太平洋で一儲けだってよ。」 欧州大戦はイギリスの判定負けという結果に終わり、ドイツは西が片付いたことで安心して東に、ソビエトとの戦争に突入していた。現在も規模は小さくなったが船団護衛の仕事はあったが、イギリスはよほど日本を勢力圏外に追放したいのか、連合国から蹴り出し、遣欧陸軍をカナリアへ追いやり、海軍は追い返した。 そんな中梁山泊は契約期間が残っていたためにこれまでヨーロッパにとどまっていたが、それもこれまでのようだった。 「ほお、次はアメリカ相手か。」 「日本に戻っても海上護衛総司令部か海上保安庁に組み込まれるんじゃないんですか?これまでのように傭兵家業は無理だと思いますけど・・・。」 「それは心配ない。海援隊の先例もあるからな。」 海援隊は日露戦争や第一次世界大戦では、確かに海軍の元で船団護衛に従事したが、報酬はそれほど安いものではなかった。それに、イギリスで潜水艦1隻ごとに幾らという報酬制を多くの民間軍事会社が体験したのだ。日本もこの戦力を有効に活用するために、イギリスの例に倣おうとするだろう事は想像できた。 「ま、日本に帰れば豪遊できるぞ。これまで貯めに貯めたからな!」 高橋はそう言って豪快に笑った。 649 :Monolith兵:2014/04/30(水) 22 10 59 1942年8月も半ば、梁山泊は大西洋の上にいた。パナマ運河を使って日本に戻るルートを使おうとしていたのだが、ここにきて最悪の事態に見舞われていた。 「ここまで来てこれか…。」 極東警備社長である落合は艦橋で聞いた報告にそう呟いてため息を吐いた。1942年8月16日、とうとう日本はアメリカに宣戦布告をしたのだ。これにより、梁山泊は敵地に1隻残されることになってしまったのだ。 「どうしますか?引き返しますか?」 「いや、燃料が持たない。ジミーのところで補給するつもりだったからな・・・。」 そう言って落合はまたため息を吐いた。こうなれば駄目もとでマイアミに行ってフロリダ沿岸輸送の元に身を寄せるのもいいかもしれない。そうなれば、日本との戦争に借り出されるだろうが、どうせ日本ではアメリカ相手には勝てないだろう。ならばいっそ、勝つほうに立った方が後々のことを考えるといいかもしれない。 「進路このまま。フロリダに向かう。」 落合は迷いを振り切り、しっかりとした口調で言った。 「そろそろ陸地が見えてもいいはずなんだけどな。」 「何も見えませんよ。って、見えました。」 落合社長の決断で、フロリダに向かうことになった梁山泊だったが、いくら近づいても軍事も民間も無線が入らないという奇妙な事がおきていた。あの日本よりも遥かに発展したアメリカから何の電波も入らないというのは余りにも不可解なことであった。 また、哨戒機や哨戒艦の類とも接触することは無かった。いくらアメリカがレーダー後進国といっても、飛行機の一つや二つには合いそうなものだったが、それも無かったのである。 ここまでくると不気味になり、アメリカを刺激しないようにこれまで艦上空にしか飛ばさなかった艦載機を陸地に向けて偵察に向かわせたのだ。 ソードフィッシュで偵察していた角兄弟が梁山泊に戻り、偵察結果を報告した艦橋には重苦しい雰囲気が漂っていた。 偵察の結果、フロリダと見られる陸地は見つかったが、そこに町は無くただ廃墟が広がっていただけだったというのだ。 「日本軍が爆撃でもしたのか?」 「無理ですよ、日本から何千キロ離れていると思っているんですか。」 「だよな。」 落合と川中が角兄弟が撮った写真を見ながらそんな事を話し合っている。 「あ、あの、偵察していると陸地のあちこちに池が沢山あったのですが、津波が来たと言う事は考えられませんか?」 そう言ったのは角の兄のほうだった。 「何?」 「俺は岩手出身で、三陸地震の時の津波だとあんな風に陸地に水が残っていたんです。だから津波が来たんじゃないかと思って…。」 「ありうるな。…となると、ジミーのところに寄る事も出来んし、もしかするとパナマまで津波が押し寄せてるかも知れん。だとすると、今のうちならパナマを?いや無理だな。」 650 :Monolith兵:2014/04/30(水) 22 11 39 その時、上空哨戒中のハリケーンから連絡が来た。 『10時方向に駆逐艦を含む船団を確認。駆逐艦は4本煙突の模様。』 そちらの方を双眼鏡で覗くと、確かに黒煙が見えた。暫くすると駆逐艦が1隻見えてきた。 『駆逐艦は全て4本煙突、クレムソン駆逐艦。』 それを聞いて落合は直感的にジョンソンの会社、フロリダ沿岸警備の艦ではないかと考えた。無線で相手の船団に連絡を取るように言うと、程なくして陽気な声が聞こえてきた。 『いよー、落合、久しぶりだな。』 「久しぶりだなジョン。街が壊滅してるから、お前さんもくたばったかと思ったがそうでもなかったようだな。」 『いや、くたばりかけたぜ。ただ、うちで雇ってる日本人が早く艦を沖に出せといってな、おかげであのでかい波、ええとツナミってのをやり過ごすことが出来たぜ。…陸上の施設と知り合いや家族は沢山死んだがな。』 「…そうか。」 『それで、どうしてここにいるんだ?今は日本と戦争中だってわかっているだろう?』 「帰る前に戦争が始まったんだよ。でだ、頼みがあるんだが。」 『奇遇だな、俺もお前に頼みがあるんだ。』 こうして、奇跡的に助かったマイアミ沿岸輸送と極東警備は敵国同士の民間軍事会社という関係の中、互いに協力し合いマイアミの復興を進めていくことになる。特に、梁山泊が積み込んでいた各種物資はマイアミ復興に役立ち、航空機を運用できる貨物船として貴重な航空戦力や貨物輸送で縦横無尽に活躍した。 もちろんアメリカからの梁山泊と乗組員の引渡し要請があったが、マイアミ沿岸輸送は自分の所の社員と庇い、フロリダを初めとする近隣州なども彼らの協力で僅かずつでも復興が進んでいた為に、合衆国への引渡しに頑として抵抗した。この事は噂として広がり、後に各国の新聞で紹介される事になる。 当然日本でも紹介され、敵国で復興支援する人情の人々と記事を飾った。無論、彼らへの反発もあったが、政府がこの事に触れて、「目の前で助けを求める人がいて助けるのは当然のことだ。」と言った為にそれほど騒がれることも無くなった。 後に欧州連合軍がフロリダに進駐した際、悪名高きドイツ親衛隊が東欧ほど非人道的な行いを行わなかったのは、日本と事を構えたくないドイツと、これ以上日本の心象を悪くしたくないイギリスの思惑があったためと言われている。 そして、マイアミ沿岸輸送と極東警備、梁山泊の名はフロリダの歴史教科書に名を刻むことになるのであった。 おわり
https://w.atwiki.jp/rzp108/pages/8.html
動画(youtube) @wikiのwikiモードでは #video(動画のURL) と入力することで、動画を貼り付けることが出来ます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_209_ja.html また動画のURLはYoutubeのURLをご利用ください。 =>http //www.youtube.com/ たとえば、#video(http //youtube.com/watch?v=kTV1CcS53JQ)と入力すると以下のように表示されます。
https://w.atwiki.jp/rzp108/pages/11.html
コメントプラグイン @wikiのwikiモードでは #comment() と入力することでコメントフォームを簡単に作成することができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_60_ja.html たとえば、#comment() と入力すると以下のように表示されます。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/rzp108/pages/18.html
※このページは携帯での閲覧を推奨しています。 出撃! 使用方法 まずこのページを携帯でお気に入り登録します。 ジョブが出撃用のジョブになってるか確認。 前の出撃から1時間以上経っている場合、1度だけ適当にアニメーションを見て出撃しておきましょう。 あとは携帯のお気に入りからこのページに飛んで上の出撃リンクを押すのみ! ↑このページのQRコード パソコンで閲覧中の方はこちらからどうぞ ブラウザバック方式が使えなくなりましたが、別ページからのリンクからであれば効力があるようなので用意してみました。 ただし、かなりグレイな裏技ですので使用の際はコッソリで宜しくお願いします。 問題が発生した場合、このページは消去されます。ご了承ください。